二ホンミツバチのドラフトゲノム

タイトル 二ホンミツバチのドラフトゲノム
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究課題名
研究期間 2016~2018
研究担当者 木村澄
横井翔
内山博允
若宮健
芳山三喜雄
高橋純一
野村哲郎
古川力
矢嶋俊介
発行年度 2018
要約 ニホンミツバチの、全ゲノムの塩基配列情報を利用可能にする。セイヨウミツバチとのゲノム比較により、有用形質を遺伝子レベルで解析し、ニホンミツバチの持つ病気に強いなど有用な性質を活かし、養蜂種セイヨウミツバチの改良に貢献する。
キーワード ニホンミツバチ、免疫関連遺伝子、ゲノム配列、次世代シーケンサー、遺伝子解析
背景・ねらい ニホンミツバチはトウヨウミツバチの日本亜種であり、ほとんど人間による改良が行われていない(図1)。そのため、養蜂に利用されているセイヨウミツバチと比較すると、抗病性など多くの有用形質が残っていると考えられる。特に、ヘギイタダニとアメリカ腐蛆病に対する抵抗性を持ち、また、スズメバチに対する特殊な防御方法を持っている。このようなニホンミツバチの有用形質を遺伝子レベルで明らかにして育種に応用することにより、セイヨウミツバチにこれらの有用形質、例えば耐病性等、を付与することで、産業上有用なセイヨウミツバチ系統を作出することが期待できる。その第一歩として次世代シーケンサーを用いてニホンミツバチゲノムの全ゲノム配列を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 得られたゲノム配列は全長211M(約2億1千万)塩基対で、ニホンミツバチゲノムのすべてをカバーする。3つの異なるDNA配列読み取り方法(図2)で得られたデータを合わせることで、非常に精度の高い配列情報が得られる。
  2. ゲノム情報から推測されたニホンミツバチの遺伝子数は13,222個で、セイヨウミツバチの10,157個、他のトウヨウミツバチの10,182~10,651個より多くの遺伝子が見つかっている(表1)。
  3. 韓国のトウヨウミツバチのゲノムでは見つからなかったが、他の昆虫では一般的にみられる免疫に関わる遺伝子が複数見つかり、ニホンミツバチは他の昆虫と同様の免疫機構を持つことが示唆される(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 得られたニホンミツバチのゲノム情報を、既に解読されているセイヨウミツバチのゲノム情報と比較することで、両種のミツバチヘギイタダニに対する行動の違い、病気に対する応答の違い、スズメバチに対する行動の違いなどについて、遺伝子レベルで解析することが可能となり、ゲノム育種の手法を用いてセイヨウミツバチの改良に貢献できる。
  2. 塩基配列公共データベースDDBJから塩基配列は入手可能である(Acession No. DRR095707-DRR095709、BDUG0100001-BDUG1003315)。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029948
カテゴリ 育種 ゲノム育種 抵抗性 データベース ミツバチ

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