木材クラフトパルプ飼料は泌乳牛の反芻胃pHの低下を抑制する

タイトル 木材クラフトパルプ飼料は泌乳牛の反芻胃pHの低下を抑制する
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究課題名
研究期間 2018~2018
研究担当者 櫛引史郎
西村慶子
黒須一博
佐藤繁
水口人史
発行年度 2018
要約 木材チップ由来のクラフトパルプ飼料をトウモロコシの一部と置き換えることにより、泌乳牛の反芻胃pHの日内変動における低下を抑制する。可消化養分総量(TDN)水準を維持したまま飼料中デンプン含量を下げられるため、亜急性ルーメンアシドーシスの抑制に有効である。
キーワード 泌乳牛、反芻胃液pH、亜急性ルーメンアシドーシス、木材クラフトパルプ
背景・ねらい 乳牛の泌乳期における栄養管理は、配合飼料の増給や給与割合の増加を伴うため、亜急性ルーメンアシドーシス(SARA)の発生や乳量および乳脂肪含量の問題があり、生産性と健全性を両立させる栄養管理技術の開発が求められている。
そこで、本研究では木材チップ由来のクラフトパルプ(KP)飼料を用い、トウモロコシの一部置き換えによりTDNを維持しつつ中性デタージェント繊維(NDF)含量を高めた混合飼料を調整し、KP利用が泌乳牛の反芻胃pHおよび乳生産性に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. KP飼料(図1)は、TDNならびにNDF含量が高く、リグニン含量は低い(表1)。KP飼料はトウモロコシの50%を置き換える(表2)。
  2. 研究用に開発された無線伝送式無線pHセンサを4頭の泌乳牛へ経口投与し、1期14日間の反転法で反芻胃pHを測定すると、KP飼料混和により日内変動における反芻胃pHの低下が有意に抑制される(図2)。このように、KP飼料の利用は泌乳牛のSARA発生リスクの低減に対して有効である。
  3. KP飼料の利用によって、反芻胃液中の酢酸割合が有意に増加し、反芻胃エンドトキシン(LPS)活性値が低下する傾向を示す(表3)。
  4. KP混和飼料による乳量増加は認められず、乳脂肪含量は高まる傾向を示す(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. KP飼料は、生産性と健全性の両立を考慮する飼料設計に用いる事が出来る。本成果は、今後長期実証試験が必要である。
  2. 本試験で使用した無線伝送式pHセンサは、研究用に開発された資材であり、市販品ではない。本センサでのSARA診断基準は、反芻胃pH6.1以下が1日あたり3時間以上である。
  3. KP飼料の代替え割合によって、反芻胃pHや代謝、生産性への影響は異なる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029942
カテゴリ 管理技術 飼料設計 とうもろこし 乳牛

この記事は