刺激性AGEs評価法は加齢性疾患の危険因子検出に有効である

タイトル 刺激性AGEs評価法は加齢性疾患の危険因子検出に有効である
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
研究課題名
研究期間 2014~2018
研究担当者 町田幸子
倉持みゆき
小堀俊郎
亀山眞由美
瀬筒秀樹
立松謙一郎
発行年度 2018
要約 sRAGEへの結合能により刺激性AGEsと評価されたAGEsが、実際に加齢性疾患の引き金となる細胞機能不全を誘導する細胞内シグナル伝達系が確認される。このことから、sRAGEへの結合能を指標にした評価法が、加齢性疾患の危険因子の検出に有効であるか明らかになる。
キーワード 終末糖化産物、AGEs、機能不全誘導、加齢性疾患危険因子
背景・ねらい 終末糖化産物(Advanced glycation end products:AGEs)は、食品の加工過程で生じ、食味向上に重要である一方、生体内でも生成し、一部は生体に機能不全を誘導し加齢性疾患の引き金となる。しかし、AGEsは多様な構造体の総称であり、引き金となるAGEsを検出する手法は確立されておらず、AGEs判別手法の確立、および、食品中のAGEsが生体に与える影響を解析する技術の開発が求められている。一方、生体内のAGEsを認識する受容体として、RAGE(receptor for AGEs)が知られており、AGEsがRAGEに認識されることが発症につながる。そのためRAGEに認識されるAGEsが、加齢性疾患危険因子であるAGEsであると考えられている。
本研究では、課題担当者らが開発したsRAGEへの結合を指標とした判別・評価システムにより刺激性AGEsと判別されたAGEsが、実際に加齢性疾患の引き金となる機能不全を細胞に誘導する機構を解析する。
成果の内容・特徴
  1. 代表的なAGEsと考えられてきたグルコース糖化AGEs(G-AGEs)よりもフルクトース糖化AGEs(F-AGEs)の方が、sRAGEへの結合能が高く(図1)、生体内で刺激性AGEsとしての活性が高いことが予想される。
  2. ヒト大動脈血管内皮細胞へのF-AGEsの添加により、添加後5-15分の間に、細胞外シグナル調節タンパク質であるExtracellular Signal-regulated kinase(ERK1,ERK2)のリン酸化と脱リン酸化が検出される(図2)。sRAGEへの結合から刺激性AGEsとしての機能が予想されたF-AGEsに関して、細胞外シグナル伝達系の一つあるERKを解した機能不全誘導が確認される。
  3. 開発した刺激性AGEs判別・評価法により検出されたAGEsが実際に生体内で加齢性疾患などの発症に至る機能不全を誘導することが確認される。
  4. 腎糸球体メサンギウム細胞、腎糸球体内皮細胞へのF-AGEs添加実験においては、シグナル伝達系の活性化(リン酸化/脱リン酸化)も検出されず、腎糸球体内機能障害には、メサンギウム、および、内皮細胞の機能障害を伴わないとの近年の研究成果を裏付ける。
成果の活用面・留意点
  1. 刺激性AGEsのsRAGEへの結合の強さと細胞に機能不全を誘導する強さに関する解析をさらに進め、刺激性AGEsの「sRAGEへの結合能」と「加齢性疾患の危険因子としての強さ」の相関に関する知見の蓄積が必要である。
  2. 食品中の刺激性AGEsの検出もsRAGEへの結合により評価可能であるが、食品として摂取した際に生体内で刺激性AGEsとして機能するかに関しては、別途検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029810
カテゴリ 加工 評価法 良食味

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