農業機械による作業前後で簡易土壌物理性診断を行うと作業効果を定量化できる

タイトル 農業機械による作業前後で簡易土壌物理性診断を行うと作業効果を定量化できる
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2018
研究担当者 江波戸宗大
発行年度 2018
要約 GNSSレシーバーと貫入式土壌硬度計を用いて農業機械による作業前後で深さ60cmまで土壌硬度を測定し、標準化しない主成分分析を行う。経度緯度がほぼ同じ地点において作業後から作業前の因子得点を引算すると下層土および作土について作業機によるインパクトを定量化できる。
キーワード 簡易土壌物理性診断、農業機械、GNSS、踏圧、土壌硬度
背景・ねらい スタブルカルチなどの作業機をトラクターで牽引すると土壌物理性改善効果(使用状況によっては改悪効果)があるのは分かっているが、使用する作業機による効果の違いなどは定量化できていない。また、トラクターやコンバインの違いによる土壌踏圧についても同様である。
本研究では土壌物理性として土壌硬度(貫入抵抗)に着目し、全球測位衛星システム(GNSS)レシーバーと貫入式土壌硬度計を用いて農業機械による作業前後の土壌への力のかかり具合を評価し、その差を算出することで、作業機による作土や下層土への作業効果やトラクターやコンバインによる土壌踏圧のインパクトを定量化する。
成果の内容・特徴
  1. 写真1は36.7PSのトラクターでスタブルカルチ、サブソイラ、プラウを牽引した例と作業目的の解説である。
  2. 農業機械による作業前後で、民生用GNSSレシーバーで調査地点の緯度経度を記録しながら、貫入式土壌硬度計によって深さ60cmまでの土壌硬度を測定する。測定地点を代表する値として土壌物理性データを要約するために、深さ1cmごとの土壌硬度について標準化しない主成分分析を行い、固有値や寄与率を検討する(表1、表2)。
  3. 第1主成分は下層土の性質を反映した因子、第2主成分以下に作土の性質を反映した因子になる傾向にある(表1)。これは作土に比較して下層土の方が作業機による攪乱が少ないためと考えられる。多くの場合で第4主成分までで8割以上(累積寄与率>0.8)説明できている(表2)。
  4. 土壌硬度データのみの主成分分析のため、算出された因子得点は力の大きさを意味する。緯度経度がほぼ同じ地点において農業機械の作業後から作業前の値を引くと土壌へのインパクトを算出できる。作業機の特徴にあった作業効果が作土軸(PC2)および下層土軸(PC1)で定量化できている(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 作業を行う圃場と所有する農業機械の能力について適正な組み合わせで作業指針を立てることが可能となる。また、トラクターやコンバインによる土壌踏圧についても考慮できるため、必要以上に圃場に入らないなど農作業を効率化するのに役立つ。
  2. 土壌硬度測定地点では深さ60cmまで1cmごとに60の土壌硬度データを取得する。統計処理を行うため、農業機械の走行前後について全測定地点数が60ヶ所以上あると定量化したデータに信頼性を担保できる。
  3. 主成分分析で解析するため、データセットが異なる場合は算出されたデータ間の比較ができない。
  4. 土壌硬度(貫入抵抗)の測定条件:コーン底面積2cm2、測定深度<60cm
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029768
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