長期裸地管理された圃場におけるダイズへのアーバスキュラー菌根菌の接種効果

タイトル 長期裸地管理された圃場におけるダイズへのアーバスキュラー菌根菌の接種効果
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2018
研究担当者 林正紀
唐澤敏彦
須賀有子
浦嶋泰文
吉田重信
発行年度 2018
要約 長期裸地管理された圃場では、接種したアーバスキュラー菌根菌(AM菌)がダイズの根に感染し、複数のダイズ品種でAM菌の接種効果がみられる。この効果は、長期間リン酸無施肥で管理した区で顕著である一方、慣行施肥を継続した区でははっきりしない。
キーワード アーバスキュラー菌根菌、接種、裸地、三要素試験、ダイズ
背景・ねらい AM菌は、多くの作物の根に共生して、リン酸吸収を促進する。これまでに、土着AM菌利用による減肥技術が開発されつつある一方、接種AM菌は圃場において安定した効果が得られないことがあり、安定して接種効果を得るために必要な条件の解明が求められている。
本研究では、接種AM菌の効果の発現に有利であると予想される土着AM菌が少ない圃場として、長期裸地管理した圃場を用い、ダイズに対するAM菌の接種効果を明らかにする。土着AM菌密度とともに、接種効果に影響する可能性がある土壌のリン酸レベルについては、リン酸施肥履歴の影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 本成果は、中央農業研究センター(茨城県つくば市)において、1981年からコムギに対する標準施肥を継続するNPK区と、窒素・カリを標準施肥し、リン酸無施肥を続ける-P区のある三要素試験圃場において、ダイズに対するAM菌接種効果を調べた結果である。この三要素試験圃場には、毎年、コムギを栽培する区と裸地管理する区があり、今回の試験では、長期裸地管理された区を用いる。
  2. ダイズのAM菌感染率は、非接種区よりも接種区で高く、リン酸施肥や品種はAM菌感染率に大きな影響を与えていない(図1)。接種したAM菌であるGlomus sp. R10タイプのOTUリードの割合は、施肥や品種に関わらず、AM菌接種区で高く(図2)、長期裸地管理された圃場では、土壌のリン酸レベルなどに関わらず、接種AM菌がダイズの根で優占すると考えられる。
  3. 長期間リン酸施肥を続けたNPK区では、ダイズの生育へのAM菌接種の効果がみられない一方、長期間リン酸無施肥とした-P区では、複数の品種で、接種区の生育が非接種区を上回る(図3)。
  4. 以上より、長期裸地管理などで土着AM菌密度が低い条件では、接種AM菌がダイズの根に定着し、その圃場の土壌のリン酸レベルが低い場合には、複数品種のダイズの生育にAM菌の接種効果が認められる。
成果の活用面・留意点
  1. 圃場において、接種AM菌を利用する際の参考となる。
  2. 本試験で用いた接種AM菌は、出光興産のGlomus sp. R10資材であり、非接種区には、その資材を作成する過程で使う担体を用いている。いずれも、畝の下層に帯状に施用している。
  3. ダイズへのAM菌接種効果には品種間差がある可能性があり、本試験では、予備試験で、比較的、AM菌接種効果が得られやすい品種として選んだ3品種を用いている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029765
カテゴリ 施肥 大豆 品種

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