世代促進を可能にするテンサイ光抽苔BLOND系統の開花特性

タイトル 世代促進を可能にするテンサイ光抽苔BLOND系統の開花特性
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2013~2018
研究担当者 黒田洋輔
高橋宙之
岡崎和之
田口和憲
藏之内利和
発行年度 2018
要約 テンサイの光抽苔BLOND(Bolting by longer than natural daylength)系統「NK-420mm-O」と「NK-422mm-O」は,屋外では抽苔が発生しにくく、全日長条件下では無春化で開花できる。BLOND系統を利用することで採種期間が従来の1年から4ヶ月に短縮できる。
キーワード 春化要求性、世代促進、全日長、二年生
背景・ねらい 作物の品種・系統を開発する、あるいは遺伝解析集団を養成する場面では、何度も世代を重ねて遺伝的に固定化させることが求められる。砂糖原料用のテンサイは、収穫までに栄養成長を続け高い収量が確保できる二年生であり、1回の採種に1年半の期間が必要である(図1)。これまでにテンサイで開発された世代促進法では、栄養成長期間の短縮により、採種期間が約1年に短縮される。しかし、いずれの方法でも長期間の春化処理を回避できずに採種が長期間に及ぶ問題がある。一方、テンサイには春化要求性を有しない極早咲きの一年生系統が存在する。一年生系統は、採種が約4ヶ月で完了するが,屋外栽培すると抽苔・開花して収量及び糖含量が著しく減少するため、砂糖原料栽培用の品種・系統開発や実用的な有用形質の遺伝解析には向かない。そこで、屋外評価と世代促進が両立できるテンサイの探索を試みる。
成果の内容・特徴
  1. BLOND系統は、"屋外栽培では抽苔しにくい二年生の特性"と夜間補光処理により"全日長条件で栽培すると無春化で開花できる一年生の特性"を併せ持つ(図2、表1)。
  2. 全日長条件で栽培すると無春化のまま開花できる開花特性は、夏季と冬季の両時期で確認された(表1)。また、播種から抽苔までの日数は、36日~56日であり、BLOND系統と一年生系統で同様である(表2)。
  3. 二年生系統との交雑後代の開花特性より、BLONDには、少数かつ効果の強い遺伝子の関与が推定される(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. BLOND系統を活用することで、採種期間を従来の1年から1/3の4ヶ月に短縮でき、育種素材や遺伝解析集団の短期養成が可能になる。
  2. 抽苔耐性が弱いため(データ略)、屋外圃場で有用形質を評価する場合には、早期播種や過度の低温による順化処理は避ける。
  3. 抽苔を誘導するための夜間補光処理には白熱灯(100~500ルクス)を使用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029721
カテゴリ 育種 てんさい 播種 品種

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