タイトル |
イネ縞葉枯病の総合防除技術および防除体系の構築を支援するマニュアル |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター |
研究課題名 |
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研究期間 |
2015~2018 |
研究担当者 |
柴卓也
奥田充
平江雅宏
大藤泰雄
宮武恭一
澤田守
松本浩一
西宮智美
諏訪順子
杉山恵乃
北村舞
八瀬順也
柳澤由加里
田中雅也
二井清友
望月証
吉田和弘
石井貴明
國丸謙二
上村香菜子
菊原賢次
桐明沙織
酒井和彦
植竹恒夫
浅野亘
小俣良介
松本明夫
田中克典
武井由美子
山本和雄
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発行年度 |
2018 |
要約 |
イネ縞葉枯病を効果的に防除するためには、媒介虫を対象とした薬剤防除、抵抗性品種の利用、圃場管理を産地の特徴に応じて組み合わせることが重要である。技術を取りまとめたイネ縞葉枯病の総合防除マニュアルは本病の総合防除体系の構築に活用できる。
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キーワード |
イネ縞葉枯病、ヒメトビウンカ、薬剤防除、抵抗性品種、圃場管理
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背景・ねらい |
近年、イネ縞葉枯病の媒介虫であるヒメトビウンカの発生が増加し、本病の被害面積が拡大しており、それぞれの地域の特徴に応じたイネ縞葉枯病とヒメトビウンカの持続的な防除対策が必要となっている。このため、品種・作型等が異なる複数の地域において、本病の発生と被害の実態を分析・評価し、それぞれの地域の特徴に応じた総合防除技術を構築するとともに、開発した技術を「イネ縞葉枯病の総合防除マニュアル」としてとりまとめ公開する。
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成果の内容・特徴 |
- イネ縞葉枯病の発生の背景は地域によって様々であるため、発生地域の特徴に応じて薬剤防除、抵抗性品種利用、圃場管理を組み合わせて総合的に防除を行うことが重要である。
- イネ縞葉枯病の発生が長く続く地域やヒメトビウンカのウイルス保毒虫率が高い地域では媒介虫を対象とした薬剤防除を行う。薬剤防除が必要な時期はイネの移植から幼穂形成期までの間であり、その間に発生する水田侵入世代成虫およびその次世代幼虫を対象とすることで高い効果が得られる(図1、2)。
- 抵抗性品種は本病の被害をほぼ完全に回避できるが、ヒメトビウンカが多発すると周辺の感受性品種で被害が拡大するリスクがあるため、保毒虫率の高い地域では薬剤防除の併用が必要である。
- イネ収穫後の水田に残った再生稲や雑草をすき込むことで、水田内で越冬する媒介虫の密度を下げることができる(図3)。すき込みは気温が上昇し媒介虫の活動が活発になる前までに実施する。
- 農研機構ウェブサイト上に公開されているイネ縞葉枯病の総合防除マニュアル(図4)は、総合防除の技術オプション、防除の考え方、地域や作型に応じた防除事例等を取りまとめてあり、本病の総合防除体系の構築に活用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:イネ縞葉枯病発生地域の病害虫防除所、普及指導センター、生産者等
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:イネ縞葉枯病が発生する国内すべての地域(2017年時点で約10万ha)。中央農業研究センターでは、「新技術の出前技術指導」の一環としてイネ縞葉枯病の総合防除マニュアルに基づいたイネ縞葉枯病防除技術の講習等を随時実施している。http://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/carc/contents/demae/demae11/index.html
- その他:ヒメトビウンカの防除に適した殺虫剤の種類や使用時期は地域によって異なるため、薬剤防除を計画する際はそれぞれの地域の病害虫防除所等が発信する情報を参考にする。
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カテゴリ |
雑草
縞葉枯病
水田
総合防除技術
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ヒメトビウンカ
品種
病害虫防除
圃場管理
防除
薬剤
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