4種の必須アミノ酸を強化した飼料による暑熱環境下の肥育後期豚の飼養成績改善

タイトル 4種の必須アミノ酸を強化した飼料による暑熱環境下の肥育後期豚の飼養成績改善
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究課題名
研究期間 2015~2015
研究担当者 井上寛暁
山崎信
松本光史
梶雄次
高田良三
発行年度 2018
要約 32℃の暑熱環境において給与飼料に必須アミノ酸であるリジン、トレオニン、メチオニンおよびトリプトファンを添加して要求量の150%とすることで飼養成績が改善する。4種のアミノ酸に加えて油脂を添加して飼料中エネルギー含量を高めることで、日増体量の更なる改善が期待できる。
キーワード 肥育豚、暑熱対策、飼養成績、必須アミノ酸
背景・ねらい 夏季の高温多湿な環境は肥育豚の発育を顕著に低下させる。飼養期間が長期化することで、飼料費の増大や疾病発生の危険性が増すなど、養豚経営の収益性を大きく低下させている。暑熱期の肥育豚にみられる発育遅延は主に飼料摂取量の減少に起因することから、これを改善するには不足するエネルギーや体タンパク質合成に必要なアミノ酸を補う必要がある。
そこで本研究では、トウモロコシと大豆粕主体の肥育後期豚用飼料で欠乏しやすい必須アミノ酸であるリジン、トレオニン、メチオニンおよびトリプトファンを添加した飼料、あるいはこれに油脂を添加して飼料中のアミノ酸含量とエネルギー含量の両方を高めた飼料の給与効果を明らかにし、暑熱期の飼養成績低下を改善する給与技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 室温32℃の暑熱環境下においては、22℃の適温環境下と比較して肥育後期豚(LWD交雑種、去勢雄)の飼料摂取量、増体量が7割程度に減少するが、給与飼料に必須アミノ酸であるリジン、トレオニン、メチオニンおよびトリプトファンを添加して要求量の150%としたアミノ酸強化飼料(表1)を給与することで、飼料摂取量が増加し、日増体量が改善する傾向を示す(表2)。
  2. 上記4種のアミノ酸に加えて粉末油脂を添加して(表1)、飼料中の必須アミノ酸とエネルギー含量の両方を高めた飼料を給与すると、対照飼料を給与した場合と比較して飼料摂取量と日増体量がともに改善する。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:養豚農家、飼料メーカー、普及指導機関
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:九州沖縄をはじめとした西南暖地。2018年の夏にアミノ酸4種を強化した飼料を九州の生産者7戸で取組み開始。
  3. 本成績は4週間の飼養試験の結果である。
  4. その他:
1)塩酸L-リジン、L-トレオニン、DL-メチオニン、L-トリプトファンは飼料添加物に指定されている。
2)塩酸L-リジン、L-トレオニン、DL-メチオニン、L-トリプトファンのおおよその価格は順に、200、400、575、2700円/kgであり、これら4種のアミノ酸の添加により肥育後期の飼料単価は2.5円/kg程度高くなるが、飼養成績の改善により1頭あたりの生産コストは570円程度低減できる。 
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029666
カテゴリ 経営管理 コスト 大豆粕 とうもろこし

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