キャッサバパルプは肉牛用飼料に適し、成分の季節・工場間変動も小さい

タイトル キャッサバパルプは肉牛用飼料に適し、成分の季節・工場間変動も小さい
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2015~2018
研究担当者 鈴木 知之
Keaokliang Ornvimol
Angthong Wanna
Narmseelee Ramphrai
川島 知之
Kongphitee Kanokwan
Gunha Thidarat
Sommart Kritapon
Phonbumrung Thamrongsak
発行年度 2018
要約 タイ東北部のキャッサバデンプン抽出工場から排出されるキャッサバパルプの化学成分の工場や季節による変動は比較的小さく、これを飼料中50%(乾物ベース)まで混合した飼料を肉用牛に給与した場合、良好な増体成績を得られる。
キーワード キャッサバパルプ, タイ, タイ在来種牛
背景・ねらい タイで生産されるキャッサバは主にデンプン(タピオカ)の原料として利用されており、国内生産量の半分以上は東北部で生産されている。デンプン抽出残渣であるキャッサバパルプは繊維およびデンプンを多く含むため、家畜生産現場で求められている高栄養で比較的安価な飼料原料となりうるが、排出される季節や工場間の成分変動は明らかではない。そこで、牛用飼料としての利用促進のための情報提供に資することを目的とし、タイ東北部で排出されるキャッサバパルプ化学成分の工場間差および季節間差を明らかにする。またエネルギー価を求めるとともに、キャッサバパルプ混合飼料を用いた肉牛の増体成績を示す。
成果の内容・特徴
  1. タイ東北部に位置する4つのキャッサバデンプン抽出工場から、雨期(5月中旬~10月中旬)、冬期(10月中旬~2月中旬)、および夏期(2月中旬~5月中旬)の各季節に採取したキャッサバパルプ化学成分平均値を表1に示す。リンおよびカリウム含量は工場間差が認められるが、飼料設計に影響するほどの変動はない。また、排出季節による一定の成分変動は認められない。
  2. キャッサバパルプの粗タンパク質含量はキャッサバチップに近い(表1)。タイ在来種牛4頭に、基礎飼料あるいは基礎飼料にキャッサバパルプを混合した飼料を維持量給与して求めたキャッサバパルプのエネルギー価は、乾燥ビール粕に近い。
  3. キャッサバパルプを乾物ベースで10、30あるいは50%含み、粗タンパク質含量が10%程度となるように、稲ワラ等タイ東北部で利用可能な農業副産物を混合した発酵混合飼料を調製する(それぞれ、低、中あるいは高飼料とする;表2)。それぞれ6頭(計18頭)のゼブー系肉用牛(タイ在来種雄牛、試験開始時平均月齢15ヵ月)に5ヵ月間自由摂取させた場合、キャッサバパルプ混合比率が高くなるほど混合飼料のエネルギー価は高くなり、肉牛の日増体量は高くなる(図)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果はキャッサバパルプを牛用飼料として高度に活用する際の基礎資料となり、廃棄物処理の促進にも資する。
  2. キャッサバパルプは変敗しやすいため嫌気環境下で保存する必要がある。
  3. キャッサバパルプの飼料利用は、肉牛の日増体量を向上させ、飼育期間を短くすることができるため、生産物当たり消化管発酵由来メタン排出量の抑制に資する。
  4. 飼料設計の際には、粗飼料由来繊維含量等の飼料の物理性および養分要求量に配慮する必要がある。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2018_a02
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029543
カテゴリ 乾燥 飼料設計 肉牛

この記事は