燃料用丸太の天然乾燥に必要な日数を簡便に推定するツールを開発

タイトル 燃料用丸太の天然乾燥に必要な日数を簡便に推定するツールを開発
担当機関 (国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所
研究課題名
研究期間
研究担当者 渡辺 憲
鳥羽 景介
柳田 高志
小林 功
発行年度 2019
要約 燃料用木質チップの原料となる丸太の天然乾燥試験を行い、丸太をチップ化する前に屋外でどのくらいの期間乾燥すればいいのかを把握できるツールを開発しました。
背景・ねらい 燃料用木質チップは含水率が低いほど大きなエネルギーが得られます。そのため、原料となる丸太を土場に積み、自然に乾燥(天然乾燥)してからチップにすることで、手間をかけず低コストで含水率を下げる工夫がなされています。しかし、丸太の乾きやすさは時期や地域によって異なるため、乾燥日数を事前に把握することが難しいという問題がありました。そこで、スギ丸太の天然乾燥試験を福井県と茨城県の2か所で行い、得られたデータをもとに、乾燥日数を簡便に推定するツールを開発しました。このツールを用いると、時期を問わず乾燥日数を把握することができ、低含水率で品質の高い燃料用木質チップの効率的な生産につながります。
成果の内容・特徴
丸太を自然に乾燥してから燃料用木質チップへ
 近年、木質バイオマスを利用した発電や熱供給事業が各地で進められており、未利用間伐材等の丸太から燃料用木質チップを生産する動きが活発化しています。燃料用木質チップは含水率が低いほど大きなエネルギーが得られるため、伐採した丸太を土場に積み(図1)、自然に乾燥(天然乾燥)してからチップにするという生産方式が主流となっています。
どのくらいの期間乾燥すればいいのかわからない
 通常、丸太の乾燥には数ヶ月程度の長い時間がかかるので、あらかじめ乾燥日数の目安をつけておくことは燃料用木質チップを効率的に生産する上で重要なことです。しかし、丸太の乾きやすさは気象条件に左右され、時期や地域によって大きく異なります。その上、同じ環境であっても丸太の乾き方は1本1本異なるため、乾燥日数を事前に把握することが難しいという問題がありました。
乾燥日数を推定するツールを開発
 そこで本研究では、スギ丸太の乾燥試験を福井県あわら市と茨城県つくば市で行い、得られたデータをもとに乾燥日数を推定するツールを開発しました(図2)。このツールはExcel形式となっており、乾燥前の丸太の情報(含水率や直径、長さなど)、乾燥を開始する月、目標とする含水率(何パーセントまで乾燥するか)、乾燥実施場所に近い地点のアメダスデータ(月ごとの気温と降水量)を入力することで、乾燥日数の推定値が求められます。これによって時期を問わず乾燥日数を把握することができるようになり、低含水率で品質の高い燃料用木質チップの生産を効率的に行えます。
今後の取り組み
 このツールは限られた試験データを元に作られているため、今のところ使える場面が限られます。例えば、樹種はスギを対象としており、日当たりと風通しの良い場所で丸太を山積み(いわゆる「はい積み」)にすることを想定しています。また、日本全国のうち適用可能な地域は一部の沿岸部に限定されます(図3)。今後は適用範囲を広げられるよう試験データの収集とツールの改良に努めていきます。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029573
カテゴリ あわ 乾燥 低コスト

この記事は