サツマイモネコブセンチュウの増殖を抑制するstrigosaエンバク「テララ」

タイトル サツマイモネコブセンチュウの増殖を抑制するstrigosaエンバク「テララ」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2004~2016
研究担当者 桂真昭
上杉謙太
我有満
上床修弘
高井智之
立石靖
山下浩
松岡誠
松岡秀道
荒川明
波多野哲也
村田岳
後藤和美
木村貴志
岩渕慶
安達美江子
道場和也
発行年度 2017
要約 「テララ」は、キタネグサレセンチュウの密度低減効果を持つとともに、サツマイモネコブセンチュウの増殖を抑制する。暖地では、9月上旬播種で年内に出穂し、出穂程度は夏播き用極早生エンバク品種と同程度である。
キーワード エンバク、キタネグサレセンチュウ、サツマイモネコブセンチュウ、緑肥、飼料作物育種
背景・ねらい エンバクは、飼肥料作物として全国で51,600ha(2016年)で栽培されており、エンバク野生種と称されているstrigosaエンバク(Avena strigosa Schreb.、セイヨウチャヒキ)がキタネグサレセンチュウの対抗植物として利用されているが、暖地における主要な有害線虫であるサツマイモネコブセンチュウを抑制する既存品種はなく、2種の線虫を抑制する品種が望まれている。
そこで、本課題は暖地において線虫対策と自給飼料生産を同時に対応できるように、サツマイモネコブセンチュウを抑制し、夏播き栽培で年内に出穂するstrigosaエンバク品種を育成し、暖地の耕畜連携に貢献することを目指すものである。
成果の内容・特徴
  1. 「テララ」は、strigosaエンバク導入品種から九州の夏播き栽培において年内に出穂する個体に由来し、年内出穂とサツマイモネコブセンチュウの増殖抑制について選抜を進めた品種である。
  2. キタネグサレセンチュウ密度低下率は「リッキー」や「サイアー」と同程度で、無播種と比較して大きく低下しており(表1)、「テララ」の栽培はキタネグサレセンチュウ密度を積極的に低減させる効果がある。
  3. サツマイモネコブセンチュウに対しては、strigosaエンバク既存品種の根には多くの卵のうが形成されるが、「テララ」はサツマイモネコブセンチュウ抑制効果が確認されているエンバク「スナイパー」と同程度の卵のう数であり(表2)、圃場試験でも同様な抑制効果を示す(表3)。
  4. 熊本で9月上旬に播種した場合、年内に出穂し、出穂程度は「リッキー」と同程度で、「サイアー」より大きく、夏播き用極早生エンバク(Avena sativa L.)品種の「ウエスト」と同程度である(表4)。
  5. 熊本での乾物収量は、「リッキー」と同程度で、「ウエスト」よりやや低く、耐倒伏性、耐病性、推定TDN含量、粗タンパク質含量は「リッキー」と同程度である(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 各地域における、それぞれの用途に応じた慣行の栽培管理で利用できる。南九州においては、カンショ後作の夏播き栽培(9月播種)での利用について検討中である。
  2. 近年、strigosaエンバクでセイヨウチャヒキいもち病、褐斑細菌病といった新しい病害が報告されているので、地域の指導情報に留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029536
カテゴリ 育種 いもち病 かんしょ 栽培技術 飼料作物 播種 品種

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