イワナにおける効果的な放流手法の開発

タイトル イワナにおける効果的な放流手法の開発
担当機関 群馬県水産試験場
研究課題名
研究期間 2013~2017
研究担当者 山下耕憲
鈴木究真
神澤裕平
松原利光
新井肇
松岡栄一
発行年度 2017
要約 河川におけるイワナ稚魚放流の増殖効果向上のため、放流魚の飼育条件、行動特性、サイズおよび系統の違いが放流効果に及ぼす影響を検証した。その結果、飼育条件の変化、行動特性による選抜、サイズの変化ともに、放流後の生残率の向上に貢献しなかった。一方、養殖魚の卵に天然魚の精子を受精させて生産した半天然魚では、放流後の生残率が養殖魚より2.5倍向上した。
背景・ねらい 河川上流に生息するイワナは、渓流釣りの対象魚として人気があり、資源増殖を目的として漁業協同組合により主に稚魚放流が行われている。しかし、期待するほど資源は増えておらず、近年、稚魚放流の増殖効果が疑問視されている。そのため、増殖効果の高い稚魚の生産方法や放流方法が漁業協同組合や養殖業者から求められている。そこで、イワナの稚魚放流後の生残率向上を目的として、飼育条件、行動特性、放流サイズおよび系統の違いが放流効果に及ぼす影響を検証した。
成果の内容・特徴
  1. 飼育条件:放流直前にカワウの羽根で脅してストレスを与えた群と与えなかった群を河川へ放流した結果、両群の間で生残率に有意差は認められなかった。また、自発摂餌飼育群と通常給餌飼育群についても、両群の生残率に有意差は認められなかった。
  2. 行動特性:人工水路で選抜した遡上性の高い群と無選抜の群を河川へ放流した結果、両群の生残率に有意差は認められなかった。カバーを積極的に利用する群と無選抜の群を放流した結果、無選抜の群の方が生残率は高かった。
  3. 放流サイズ:餌付け直後の小型群、餌付け1か月後の中型群および通常の大型サイズ群を順次河川へ放流した結果、群間で減少率に差は認められなかった(図1)。
  4. 系統:通常の養殖魚の稚魚と、養殖魚の卵に天然魚の精子を受精させて生産した半天然魚の稚魚を河川へ放流した結果、生残率に有意差が認められ、後者は前者より生残率が2.5倍高かった(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 半天然魚の放流は、生残率を向上させ、資源増大が期待できる(活用面)。
  2. 半天然魚の生産には、生産量に応じた天然魚の精子が必要である(留意点)。
  3. 半天然魚を生産する養殖業者の確保が必要である(留意点)。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029445
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