底曳網漁業における省エネ操業技術の開発

タイトル 底曳網漁業における省エネ操業技術の開発
担当機関 京都府農林水産技術センター海洋センター
研究課題名
研究期間 2014~2016
研究担当者 宮嶋俊明
発行年度 2017
要約 底曳網漁業における経営改善を図る目的で、燃料消費量を抑える操業技術を開発した。航行中の主機関回転数を下げることで、操業等に支障をきたすことなく燃料費の削減が可能となることを示した。また、漁船の船首や舵形状の改良なども燃料消費量の節約につながることが分かり、省エネ航行と船型改良による燃料削減効果(経費削減効果)を明らかにした。
背景・ねらい ズワイガニ、カレイ、ハタハタなどを漁獲する京都府の底曳網漁業は、近年、魚価の低迷や燃油代の高騰などにより経営環境は非常に厳しくなっている。そこで、底曳網漁業経営で最も負担となっている燃料費について、操業形態や漁船に応じたエンジン回転数や燃料消費量を調べることで、主機、補機及び船型の燃料消費量削減効果を検証し、操業コストの低減策を提言する。
成果の内容・特徴 推進用主機関の回転数増加に伴い、燃料消費量は増加するが、船速は頭打ちになることが分かった。そこで、往復航海における機関回転数を、現状の1,750rpmから200rpm下げた場合、1航海あたりの燃料消費量は70~220L削減できる。一方で船速低下に伴う航海時間の増加は25~45分の増加に留まる。船速の低下を抑制しつつ、操船することで燃料消費量を削減することが可能である。漁撈機器駆動や船内電力供給として使用される補機関の燃料消費量は、主機関の約5~10%程度であり、補機関の燃料消費量を10%削減しても、主機関に対しては1%以下の削減となり、大きな省エネ効果は見込めないと考えられた。また、3Dカメラを用いた船体計測により、地区毎の代表的な漁船の船型をデジタル化した。船首、船底送受波器カバー、舵形状、船尾形状等を改良することで船体に受ける水抵抗が小さくでき、約10%の燃料消費量の削減が可能と考えられた。
成果の活用面・留意点 往復航海中の主機関回転数抑制と船体改良による年間燃料削減量は、約12,000~15,000L、同削減費用は約80~150万円と試算された。漁業者にこれらの結果を提示したところ、現在、多くの漁船で省エネ操業が実践されている。船体改良費用は、船首、船底送受波器カバーの改良で約30万円程度、舵形状や船尾形状等の改良で10万円以下であった。なお、船型を省エネのために改良する場合は、波浪中船体運動の安全性を考慮する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029439
カテゴリ 経営管理 コスト 省エネ・低コスト化

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