ICTを活用した圃場-土地改良施設連携型の水管理制御システム

タイトル ICTを活用した圃場-土地改良施設連携型の水管理制御システム
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門
研究課題名
研究期間 2013~2017
研究担当者 中矢哲郎
浪平篤
樽屋啓之
発行年度 2017
要約 支線・配水施設を管理する土地改良区、給水口を管理する担い手農家、双方が連携して利用できる農業用水の管理制御システム(iDAS)である。本システムは低コストかつ簡易に土地改良施設へ導入でき、適正な水配分と施設の節水・節電が可能である。
キーワード ICT、LPWA、ポンプ場、省力化、節水・節電
背景・ねらい 広域にわたるポンプ場や分水工等の土地改良施設の管理労力が増大しており、省力化や省エネ管理による維持管理費の低減が必要である。また需要主導型水管理への移行を進めるとともに、土地改良施設における供給管理との連携による適正な水配分が必要である。そこで、クラウド、LPWA(Low Power Wide Area)等のICTを活用した、担い手農家、土地改良区双方の水管理労力、施設管理労力を大幅に軽減し、効率的な水管理や、節水、節電を可能にするシステムを開発することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 農家(担い手等)が管理する給水口から、土地改良区等が管理するポンプ場・分水工など支線・配水施設までを一つのシステムとして扱え、パソコンや、タブレット端末上で簡易な水管理が可能な水管理システム(iDAS:Irrigation and Drainage Automation System)を開発した。本システムはSCADA(監視制御ソフト)サーバー、現地制御用PLC、LPWA等無線通信機器がパッケージとなっており、クラウド運用による圃場水管理システムなど外部システムとのAPI連携が可能で、対応するセンサー類、制御機器は豊富であり、地域の実情に合った低コストなシステム構築が可能である(図1)。
  2. 図2に示すように本システムは,圃場の情報と施設管理者の給水スケジュール・広域の施設管理情報から、ポンプ場から最適な取水を自動で行うことができる。ポンプ場ではパイプライン解析に基づくインバーターによる推定末端圧力一定制御の導入により、農家の需要に応じた配水を行うために、適正な配水と大幅な節水・節電が可能である。
  3. 中小規模の水田パイプライン灌漑地区2箇所(茨城県取手市(3.5ha)、龍ヶ崎市(7.5ha))を対象に、取水源のポンプ場から水田パイプライン、給水栓までの配水管理の実証試験を行い、施工性、運用性、導入効果がある(図3)。実証試験においては、遠方の水位情報等の無線通信のために開発した、LPWAによる様々なセンサー・制御機器との通信が可能な適応型ワイヤレスグリッド(NICT共同特許出願中)を導入している。
  4. 本システムの導入効果は、ポンプ場において導入前の4割のポンプ出力の削減効果があり、遠方自動管理が可能である(図4)。パイプライン圧力は計画上圧力の6割減となり、過剰圧の発生による施設の老朽化が原因の破損事故等に対しても有効である。
  5. 広域水管理(230ha規模)における幹線パイプラインの分水口の流量監視に、LPWAのうち遠距離通信が可能なLoRaによる複数分水口の監視システムを構築し、現地において稼動を行っている。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:担い手農家、土地改良区、自治体(県)
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国の受益面積10~100haの支線・配水施設。主に用水機場、ファームポンド、分水工を対象とする。
  3. その他:畑地灌漑地区の監視システムでも導入可能であり現在試験導入中(愛知県) 
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029348
カテゴリ ICT 省エネ・低コスト化 省力化 自動管理 水田 すぐり 低コスト 水管理

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