免疫原性を有する牛パピローマウイルス様粒子の作出

タイトル 免疫原性を有する牛パピローマウイルス様粒子の作出
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2012~2017
研究担当者 渡辺聡子
芝原友幸
飯塚哲也
畠間真一
菅野徹
真瀬昌司
発行年度 2017
要約 牛乳頭腫症の原因である牛パピローマウイルスと似た構造を持つウイルス様粒子をカイコの蛹で大量に生産させる。このウイルス様粒子はマウスに対して免疫を誘導できる。
キーワード 牛乳頭腫症、牛パピローマウイルス、ウイルス様粒子、バキュロウイルス、カイコの蛹
背景・ねらい 牛乳頭腫症は牛パピローマウイルス(BPV)の感染により感染部位に乳頭腫という腫瘍をつくる病気である。乳用牛の乳頭部に乳頭腫ができると、乳頭部が大きく変形し搾乳困難や搾乳不可能となるなど効率的な酪農経営の妨げとなっている。牛乳頭腫症は全国的に高い頻度で発生しているが、未だ確立された予防法や治療法はない。
ウイルスの外殻タンパク質でできているウイルス様粒子(VLP)はウイルスに似た外観や抗原性を有しているが、内部にウイルスゲノムを含まないため感染性がなく、有望なワクチンとして注目されている。乳頭部の乳頭腫からは、複数ある遺伝子型のうち6型(BPV6)が最も多く検出されるため、本研究ではBPV6による牛乳頭腫症に対するワクチン開発を目指し、BPV6のVLP(BPV6-VLP)をバキュロウイルス発現系により作成しその効果について検討する。
成果の内容・特徴
  1. BPV6の外殻タンパク質を発現するバキュロウイルスを作製し、カイコの蛹に接種すると蛹体内でBPV6-VLPが生産される(図1)。
  2. BPV6-VLP(20µg)をマウスに筋肉内接種すると血液中にBPV6に対するIgG抗体が誘導される(図2)。
  3. マウスに誘導された抗BPV6抗体は野外発生した牛乳頭腫症のBPV6を検出できる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. カイコの蛹を宿主に用いるので、BPV6-VLPを安く大量に生産できるため、安価なワクチンを提供できる。
  2. BPV6-VLPはマウスに対して抗BPV6抗体を誘導できるため、BPV6-VLPは有効な牛乳頭腫症ワクチンとなり得る。
  3. BPV6-VLP接種による免疫誘導効果を牛で検証する必要がある。
  4. BPV6-VLP接種でマウスに誘導される抗BPV6抗体を用いて6型による乳頭腫症の高度な免疫組織学的診断が可能になる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029331
カテゴリ カイコ 経営管理 治療法 乳牛

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