豚丹毒生ワクチンを使用する農場では慢性型豚丹毒が発生する

タイトル 豚丹毒生ワクチンを使用する農場では慢性型豚丹毒が発生する
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2017~2018
研究担当者 下地善弘
白岩和真
小川洋介
西川明芳
楠本正博
江口正浩
発行年度 2017
要約 豚丹毒生ワクチンを使用する農場において、慢性型豚丹毒を発症した病豚から分離された155株の遺伝子型を豚丹毒生ワクチン株同定用の簡易PCR法により解析し、101株が生ワクチン株に由来する株と同定する。
キーワード 豚丹毒、生ワクチン、PCR、遺伝子型同定、アクリフラビン耐性
背景・ねらい 豚丹毒は家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されており、養豚産業において重要疾病の一つとされる。本病の予防には、生ワクチン及び不活化ワクチンが使用されているが、現在、国内で使用される生ワクチンはアクリフラビン色素耐性の弱毒株 Koganei 65-0.15株(血清型1a)である。これまで、本ワクチンを使用した農場において、慢性の関節炎型や心内膜炎型豚丹毒を発症した例が多く報告されてきたが、本ワクチン株はアクリフラビン耐性以外に野生株と識別できるマーカーを持たないため、病豚から分離された株が本ワクチン株であるかどうかを判定することは困難である。本研究では、我々がすでに開発した豚丹毒生ワクチン同定用の簡易PCR法(以下、簡易PCR法)を用いて、豚丹毒生ワクチンを使用する農場において慢性型豚丹毒を発症した病豚から分離された菌の遺伝子型を同定し、これらの株が生ワクチン株であるかどうかの解析を行う。
成果の内容・特徴
  1. 東北、北陸、関東、東海、中部、中国、四国、九州地方の8地域10県から、2014年から2016年の間に、生ワクチンを使用する農場の慢性型豚丹毒発症豚から分離された豚丹毒菌合計155株を収集する。
  2. これらの155株について、家兎血清を用いてゲル内沈降反応により血清型を解析すると、103株が血清型1aと診断される(表)。
  3. これらの155株について、簡易PCR法を用いて遺伝子型を解析すると、血清型1aと診断された103株のうち、101株(65%)が生ワクチン株であると同定される(表)。
  4. 生ワクチン株であると同定された101株について、アクリフラビン色素耐性試験を実施すると、4株がアクリフラビン色素に感受性であることが判明する(表)。
成果の活用面・留意点
  1. アクリフラビン色素耐性は豚丹毒生ワクチン株の指標とならないため注意を要する。豚丹毒慢性型を発症した豚から生ワクチン株が検出された場合、ワクチンプログラムの変更、あるいは、不活化ワクチン使用の推奨等、農家に対して適切な指導をすることが求められる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029322
カテゴリ くり

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