乳房内注入する免疫調整因子の種類によって乳房炎症状の軽減機序は異なる

タイトル 乳房内注入する免疫調整因子の種類によって乳房炎症状の軽減機序は異なる
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2013~2016
研究担当者 菊佳男
尾澤知美
櫛引史郎
犬丸茂樹
新宮博行
長澤裕哉
渡部淳
秦英司
林智人
発行年度 2017
要約 黄色ブドウ球菌性乳房炎の乳房内に注入した組換え牛顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子及びインターロイキン8は、異なる機序で乳房炎症状を軽減させる。
キーワード 黄色ブドウ球菌性乳房炎、GM-CSF、IL-8、乳房内注入、乳汁単核球構成
背景・ねらい 薬剤耐性菌出現の観点から産業動物医療分野においても抗菌剤使用の低減が望まれている。乳用牛の疾病の約3割を占める乳房炎に対する治療は、大部分で抗菌剤が用いられているため、新たな治療技術の開発が求められている。特に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:SA)性乳房炎については、抗菌剤治療の効果が得られにくいためその要望が大きい。本研究は、薬剤耐性菌を出現させない組換え牛顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(rbGM-CSF)およびインターロイキン8(rbIL-8)を、SA性乳房炎の乳房内に注入することによって得られる治療効果と、その作用機序を明らかにすることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. SA性乳房炎罹患乳房内にrbGM-CSFあるいはrbIL-8を注入すると、それぞれ乳房炎症状の指標である乳汁中のCMTスコアを経時的に低減し、その程度はrbGM-CSFがrbIL-8よりも強い傾向にある(図1)。
  2. SA数は、rbGM-CSF注入群およびrbIL-8注入群ともに注入後0.25~1日に一時的に減少する。
  3. 乳汁中の貪食細胞活性は、rbGM-CSF注入群およびrbIL-8注入群ともに注入直後から増加する(図2)。
  4. 乳汁中の単核球構成は、rbGM-CSF注入群では注入後1~3日にリンパ球およびマクロファージ(単核細胞)の割合が上昇するが、rbIL-8注入群では、その反応が見られない(図2)。
  5. 乳房内rbGM-CSF注入は、乳汁中の貪食細胞および単核細胞の両者への免疫賦活効果を有しており、rbIL-8とは異なる作用機序を示す。
成果の活用面・留意点
  1. 免疫調整因子であるrbGM-CSFおよびrbIL-8は、抗菌剤に替わる乳房炎治療薬として活用できる可能性がある。
  2. rbGM-CSFおよびrbIL-8の効果を持続させる技術や大量生産技術、製造コストの低減技術を開発する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029314
カテゴリ コスト 耐性菌 治療技術 薬剤

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