黄色ブドウ球菌性乳房炎における乳汁中の乳腺上皮細胞数と黄色ブドウ球菌数には正の相関がある

タイトル 黄色ブドウ球菌性乳房炎における乳汁中の乳腺上皮細胞数と黄色ブドウ球菌数には正の相関がある
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2017~2019
研究担当者 長澤裕哉
菊佳男
菅原和恵
田邉扶由子
林智人
発行年度 2017
要約 黄色ブドウ球菌性乳房炎に罹患した牛の乳汁中黄色ブドウ球菌数と体細胞数には相関がないが、黄色ブドウ球菌数と乳汁中に脱落した乳腺上皮細胞数とには正の相関がある。乳汁中の乳腺上皮細胞は、乳腺組織損傷の非侵襲的な指標になり得る。
キーワード 牛乳房炎、乳汁、黄色ブドウ球菌、乳腺上皮細胞、乳汁中体細胞数
背景・ねらい ウシの乳房炎の発症は酪農経営において大きな経済的な損失になる。乳汁産生機能を担っている乳腺上皮細胞は、生理的、遺伝的および環境的な要因の影響を受けて乳汁中に脱落することが知られている。しかし黄色ブドウ球菌性乳房炎において、菌の感染による乳腺組織の損傷、すなわち乳汁中に脱落する乳腺上皮細胞の詳細は明らかでない。本研究では、乳房炎感染歴のない初産牛を用いて黄色ブドウ球菌を乳房内感染させた黄色ブドウ球菌性乳房炎モデル牛を作製し、乳汁中黄色ブドウ球菌数と乳房炎発症マーカーとして汎用される体細胞数および乳汁中に脱落した乳腺上皮細胞との相関を検証した。
成果の内容・特徴
  1. 本モデル牛では(図1)、乳汁中黄色ブドウ球菌数と体細胞数には相関がないが、黄色ブドウ球菌数と乳汁中に脱落した乳腺上皮細胞とに正の相関がある(図2)。
  2. 本モデル牛の乳量が感染後に減少したことから、黄色ブドウ球菌により乳腺上皮細胞が損傷を受け脱落した可能性が高い。
  3. 本モデル牛において乳汁中の体細胞数の上昇を確認したことから、過去の報告と同様に乳汁中体細胞数は黄色ブドウ球菌性乳房炎の発症における免疫応答あるいは炎症反応に関連している。
成果の活用面・留意点
  1. 種々の乳房炎原因菌による乳房炎発症時には、多数の白血球が乳汁中に動員され、乳汁中体細胞数として反映される。本モデル牛の乳汁中体細胞数は乳房炎発症の発症指標としては有用であるが、組織損傷や乳房炎の重症度としての指標としては必ずしも正確ではない。
  2. 黄色ブドウ球菌性乳房炎罹患牛における乳汁中乳腺上皮細胞は、乳腺組織の損傷の程度を把握することの出来る非侵襲的な指標になる可能性がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029313
カテゴリ 経営管理 乳牛

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