電流検出型DNAチップを用いた乳房炎原因微生物の検出法の開発

タイトル 電流検出型DNAチップを用いた乳房炎原因微生物の検出法の開発
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2012~2016
研究担当者 林智人
秦英司
勝田賢
菊佳男
田川裕一
河合一洋
稲田美雅
伊藤桂子
橋本幸二
二階堂勝
発行年度 2017
要約 牛乳房炎原因微生物のゲノムDNAを特異的に検出する高感度電流型DNAチップを用いた乳汁中乳房炎原因微生物の検出法を新たに開発した。本法は、従来の微生物培養法に比べて迅速かつ高感度であり、より精度の高い結果が得られる。
キーワード 牛乳房炎、DNAチップ、LAMP、乳汁、乳房炎原因微生物
背景・ねらい 牛の乳房炎の発症は酪農経営において大きな経済的な損失になる。乳房炎を効果的に制御するためには、乳房炎原因微生物を感染初期の段階で正確に同定して速やかに適切な治療をすることが重要である。従来の細菌培養法による乳汁中乳房炎原因微生物の同定は、操作が複雑、判定が不安定でありかつ結果が得られるまでに数日を要するなどの欠点があった。本研究では、微生物のゲノムDNAを特異的に検出することのできる高感度電流検出型DNAチップを用い、迅速で高感度な乳房炎原因微生物の新しい同定法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 乳房炎原因微生物の代表的な12種属の微生物DNA(表)について、乳汁を前処理して検体として増幅・同定する最適な条件を決めた。本法は細菌培養法に比して短時間で結果が得られる。
  2. 従来の細菌培養法による乳房炎原因微生物の同定は、結果を得るまでの操作が複雑でかつ判定に習熟度を要するなどの欠点があったが、本法を用いることで安定した結果が得られる(図)。
  3. DNAチップ法で得られた結果と細菌培養法で得られ結果の一致率は、最低でも86.9%以上であり、臨床現場における乳房炎診断に利用が可能である。
  4. 本技術を乳房炎防除管理プログラムに導入することで、牛群における乳房炎の防除にさらに高い効果が期待できる。
成果の活用面・留意点
  1. 本法は「核酸の定量方法、それに使用されるプライマーセット、DNAチップおよびアッセイキット、並びにそれを利用する常在菌の判定方法」の特許6226460の取得内容が含まれる(平成29年10月20日登録)。
  2. 本法は「乳中の微生物を濃縮および乳中の微生物の核酸を回収する方法」で特許出願(特開特開2014-060984、平成26年4月10日出)の内容が含まれる(該当技術の論文:Journal of Veterinary Medical Science(2015)Aug;77(8):1007-1009,doi:10.1292/jvms.14-0159)。
  3. 現時点では検出器にかける前の段階で検体(乳汁)を処理する作業が必要であるが、今後、直接乳汁を検体として結果の得られる自動化をめざす。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029312
カテゴリ 経営管理 乳牛 防除

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