シカ慢性消耗病(CWD)プリオン感受性細胞の樹立

タイトル シカ慢性消耗病(CWD)プリオン感受性細胞の樹立
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2013~2017
研究担当者 岩丸祥史
Candace Mathiason
Glenn Telling
Edward Hoover
発行年度 2017
要約 シカプリオン蛋白質発現遺伝子改変マウスから神経幹細胞を分離し、CWDプリオンに感受性を示す分化培養条件を発見した。この細胞をCWDプリオンの感染性の検出に用いることで、CWDプリオン感染価測定の省力化と期間短縮が期待される。
キーワード プリオン、シカ慢性消耗病、神経幹細胞、分化、感染性
背景・ねらい 北米ではシカ慢性消耗病(CWD)の発生は拡大傾向にある。CWD感染シカでは、唾液、血液、尿、糞にCWDプリオンが排出されることから、土壌、牧野を介した水平感染が、CWD感染拡大要因の一つと考えられている。CWDはプリオン病の中でも、容易に水平伝播するという特徴を有する。これまで我が国でCWDの発生は確認されていないが、一度発生するとその社会的影響は大きいことから、国内へのCWDプリオンの侵入防止対策、および早期発見・迅速対応による拡大防止が重要である。CWDプリオンの感染性はシカプリオン蛋白質発現遺伝子改変マウスを用いたバイオアッセイ法で検出するが、検出までに数か月を要し、また動物愛護の観点からも動物使用数の削減は望ましい。これらを考慮し、本研究はCWDプリオン感受性細胞を樹立し、CWDプリオン感染価測定の省力化と時間短縮を目指す。
成果の内容・特徴
  1. シカプリオン蛋白質発現遺伝子改変マウスから、神経幹細胞を分離できる。神経幹細胞は自己複製を持ち、生体においてCWDプリオンが蓄積する神経細胞やグリア細胞に分化させることができる。
  2. 神経幹細胞を分化させた細胞は、感染シカ脳由来のCWDプリオン暴露により感染が成立し、異常プリオン蛋白質を蓄積する(図)。
  3. 細胞の感染に必要な最小の脳の量を求めたところ、2μgの脳を暴露した細胞から、異常プリオン蛋白質を検出可能である。
成果の活用面・留意点
  1. CWDプリオン感受性細胞の使用により、CWDプリオン感染価測定の省力化と時間短縮が期待される。
  2. 樹立した細胞のCWDプリオンの検出感度は、マウスを使用したバイオアッセイと比較して1/10程度低いため、改善のために培養時間の延長や暴露方法の改良が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029302
カテゴリ シカ 省力化

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