人工光閉鎖型育苗と水耕栽培等によるトルコギキョウの年3作周年生産技術体系

タイトル 人工光閉鎖型育苗と水耕栽培等によるトルコギキョウの年3作周年生産技術体系
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究課題名
研究期間 2013~2017
研究担当者 福田直子
佐藤衛
牛尾亜由子
川勝恭子
湯本弘子
水野貴行
中野明正
矢吹隆夫
福島啓吾
時安美奈
景山幸二
嶋津光鑑
菅野英夫
猪狩広生
坂井田洋司
中南暁夫
狩野敦
都丈志
発行年度 2017
要約 人工光閉鎖型育苗装置による大苗の計画生産と、NFT水耕栽培、病害対策、および複合環境制御システムを用いることで、1棟のハウスで年3作の栽培が可能である。ハウス3棟を用い、栽培期間を組み合わせることで周年生産ができる。
キーワード トルコギキョウ、人工光閉鎖型育苗、水耕栽培、複合環境制御、周年生産
背景・ねらい トルコギキョウは周年需要があり安定供給が求められている。しかし、従来の生産体系では播種から収穫まで6か月以上を要すること、また、連作障害も発生しやすいことから土壌消毒等が必要とされ、同一圃場での年2作以上は困難である。トルコギキョウの生産量を増やしてマーケットを拡大するためには、より効率的な生産体系の構築が必要である。そこでトルコギキョウの周年生産を可能とする新たな技術体系を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 人工光閉鎖型育苗装置による大苗の計画生産、NFT水耕栽培、病害対策、および複合環境制御システムを用いることで、1棟のハウスで年3作のトルコギキョウの生産が可能となる。3棟のハウスを用いて栽培期間を組み合わせることで、周年生産できる。
  2. 10℃暗黒5週間の給水種子低温処理後に、人工光閉鎖型育苗装置において光合成光量子束密度75~125μmol・m-2・S-1、20時間明期、気温27.5℃の条件で5週間育苗し、本葉3対の大苗を生産する(図1)。同一装置で年間9回の育苗が可能である。成長の抑制をもたらすロゼットが発生しないことを、多数の品種で確認している。
  3. 培養液を循環利用する薄膜水耕(NFT)方式を用いる。500Lの培養液タンクの場合、幅60cm長さ20mのベンチ7本を1ブロックで栽培できる。条間株間12cm、5条の定植パネルで年3作すると、慣行2180本/aの3倍の6600本/aの生産が可能である。培養液濃度は原水分を除いてEC0.5~1.5mS/dの範囲とし、チップバーンを回避するために発蕾までは低濃度で管理し、発蕾後に濃度を高めて開花開始後は施肥を打ち切る。培養液温度は20~30℃の範囲で管理する(図2)。
  4. 根腐症状によって壊滅的な被害を発生するピシウム菌については、施設内外の衛生管理を徹底するとともに定期的にモニタリングして発症前に検出し対策を講じる。登録農薬および培養液の交換等、対策マニュアルに沿って対応することで生産が安定化する。
  5. 光強度と二酸化炭素濃度を元に目標温度を算出し、窓や機器を制御する複合環境制御システムにトルコギキョウの光合成特性値を組み込んだ温室環境の自動制御システムを開発している。このシステムの運用によって熟練生産者が機器の動作を個別に設定する慣行管理と同程度の品質の切り花が得られ、エネルギーコストも同程度となるうえ省力化が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:花き生産者、生産法人等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国で利用可能なシステムである。育苗装置と温室環境の自動制御システムは、それぞれ土耕栽培でも利用が可能である。
  3. その他:福島県いわき市の13.5aのハウス3棟において、これらの技術を組み合わせて2016年6月から2017年8月までに年3作9回の定植と出荷を実証している(図3)。水耕栽培によるトルコギキョウの周年出荷は全国初の事例である(図4)。個別技術については「トルコギキョウ周年生産のための新技術カタログ集」を参照。ピシウム菌等のモニタリングや簡易検定は「トルコギキョウ水耕栽培における土壌伝染性病害対策マニュアル」を参照。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029262
カテゴリ 育苗 環境制御 コスト 栽培技術 出荷調整 省力化 自動制御 水耕栽培 施肥 トルコギキョウ 土壌消毒 農薬 播種 品種 モニタリング 連作障害

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