糖度が高く、ドリップの少ない晩生カンキツ新品種「あすき」

タイトル 糖度が高く、ドリップの少ない晩生カンキツ新品種「あすき」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究課題名
研究期間 1992~2016
研究担当者 吉岡照高
根角博久
吉田俊雄
喜多正幸
國賀武
太田智
中嶋直子
野々村睦子
濱田宏子
瀧下文孝
野中圭介
発行年度 2017
要約 カンキツ新品種「あすき」は、糖度が極めて高く食味がよい晩生のミカンである。ナイフでカットした場合のドリップが少なく、カットフルーツでの利用にも適する。
キーワード カンキツ新品種、晩生、高糖度、カットフルーツ
背景・ねらい これまで1~2月に成熟する中生カンキツは数多くの品種が育成されており、「あすみ」などの高糖度が特徴の品種の普及が進みつつある。しかし特別な栽培管理をしなくても高糖度果実生産が可能で、3月以降に成熟する晩生品種の開発は十分ではない。また、近年、生鮮果実の消費が停滞する中で、カットフルーツとしてパック詰めされた商品の市場拡大が予想されており、カットフルーツに適した品種の需要が高まっている。そこで晩生で食味がよく、カットした果肉から流れ出る果汁(ドリップ)が少なくカットフルーツとしての適性をもつ品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 1992年に果樹試験場(現農研機構果樹茶業研究部門)において、オレンジ香を有し、雄性不稔性かつ単胚性である「カンキツ興津46号」に、良食味で、じょうのう膜が薄く食べやすい「はるみ」を交雑して得られた実生から選抜した。2006年から2016年までカンキツ第10回系統適応性・特性検定試験に「カンキツ興津60号」として供試して特性を検討し、2016年8月の第10回系統適応性試験成績検討会において、新品種候補とした。
  2. 樹勢は中程度で「あすみ」より弱い。とげの発生程度は「あすみ」より少なく短い。隔年結果性の程度は少ない。かいよう病の発生程度も「あすみ」より少なく、慣行防除によりそうか病の発生は認められない(表1)。
  3. 果実は180g程度で、果皮は橙色である(図1)。剥皮性は中~やや難で、年によりやや剥きづらいことがある。浮皮の発生はない。果肉の糖度は16%程度と極めて高く、酸含量は3月下旬に1.2g/100ml程度となる。自然受粉条件のもとで平均7粒程度の種子が入り、無核果はほとんどない。成熟期は3月頃である(表2)。
  4. 果肉部をナイフで一定容積にカットした後のドリップの程度は、現在カットフルーツとして主に利用されるオレンジと同程度に少ない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:カンキツ生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:いずれの試作試験地においても高糖度果実が生産されており、土壌および気象条件に対する適応範囲は広いが、成熟期が3月となるため冬季温暖な地帯での栽培に適する。福岡、長崎、鹿児島の各県において有望と評価されている。
  3. その他:かいよう病の発生を抑えるために慣行のかいよう病に対する薬剤防除は必要である。かいよう病多発地帯での栽培は避け、風当たりの強くない園地もしくは防風垣の整備された園地での栽培が望ましい。また、種子数の増加を防ぐため、周辺には花粉の多い品種の植栽を避ける。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029246
カテゴリ 栽培技術 新品種 受粉 品種 防除 薬剤 良食味 その他のかんきつ

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