高温でも容易に着色する極大粒のブドウ新品種「グロースクローネ」

タイトル 高温でも容易に着色する極大粒のブドウ新品種「グロースクローネ」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究課題名
研究期間 1998~2016
研究担当者 佐藤明彦
山田昌彦
三谷宣仁
河野淳
伴雄介
上野俊人
白石美樹夫
尾上典之
岩波宏
東暁史
吉岡美加乃
間瀬誠子
伊藤隆男
発行年度 2017
要約 ブドウ新品種「グロースクローネ」は、高温下でも着色性に優れる極大粒の四倍体ブドウである。糖度は「巨峰」並み、酸含量は「巨峰」よりやや低い。ジベレリン処理により種なし生産が可能である。
キーワード ブドウ新品種、四倍体、良着色、極大粒、温暖化
背景・ねらい 我が国において現在栽培されているブドウは、大粒系で紫黒色の「巨峰」や「ピオーネ」が中心である。近年の温暖化の影響により、夏季の気温が高い西南暖地を中心に有色ブドウの着色不良が発生し、「巨峰」や「ピオーネ」においても着色不良である"赤熟れ"が問題になっている。そのため、ブドウ産地からは、高温下でも安定して着色する品種の開発に対する要望が強い。また、種なし果に対するニーズも増大している。そこで、「巨峰」や「ピオーネ」よりも着色が優れ、種なし栽培できる大粒品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 1998年に農林水産省果樹試験場カキ・ブドウ支場(現農研機構)において、紫黒色で極大粒の「藤稔」に赤色で良食味の「安芸クイーン」を交雑して得られた実生から選抜した四倍体品種である。
  2. 2010年から2016年まで系統番号「ブドウ安芸津30号」としてブドウ第13回系統適応性検定試験に供試してその特性を検討し、2017年2月の同試験成績検討会において新品種候補とした。2017年5月31日に品種登録出願し、10月20日に出願公表された。
  3. ジベレリン25ppmを満開時と満開10~15日後の花(果)房浸漬処理による無核化率は極めて高い。開花前にストレプトマイシン200ppmを散布することにより、さらに安定した種なし生産が可能である。
  4. 樹勢は「巨峰」、「ピオーネ」並みに強い。発芽期は4月14日頃、開花期は6月4日頃で「巨峰」より遅い。収穫期は8月下旬で「巨峰」、「ピオーネ」と同時期である(表1)。
  5. 果房重は23~25粒程度着粒させると「巨峰」並みの大きさの果房が得られる。ジベレリン処理果の果粒重は20g程度となり、「巨峰」、「ピオーネ」より大きい(表1、図1)。果皮色は紫黒色で、収量を「巨峰」並みとし450~500gの房作りを行うと、「巨峰」、「ピオーネ」よりも安定して良着色果が得られる(表2)。はく皮は中程度、果肉特性は中間、果肉硬度は中で、「巨峰」、「ピオーネ」と同程度である。糖度は19.0%と「巨峰」や「ピオーネ」と同程度に高く、酸含量は0.40g/100mlで「巨峰」より低い。香気はフォクシーである。年により裂果が発生することがある。脱粒性ならびに日持ちは「巨峰」、「ピオーネ」並みである。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:ブドウ生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:「巨峰」、「ピオーネ」の栽培地域、特にこれらの品種の着色不良が問題となる西日本地域(愛媛県、兵庫県、鹿児島県等)で早期の普及が見込まれる。
  3. その他:苗木販売は2018年秋季より開始予定。結果母枝基部の花芽着生が良好なため、短梢剪定栽培が可能である。若木のうちは花振い性が強いが、樹齢が進むにつれて花振るいは軽減される。また、場所により裂果が発生するので、成熟期後半の水分管理には留意し、適度な潅水により極端な乾湿の変動を避けることが望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029241
カテゴリ かき 新品種 品種 ぶどう 良食味

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