リンゴにおける粉質化程度に関するDNAマーカーの開発

タイトル リンゴにおける粉質化程度に関するDNAマーカーの開発
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究課題名
研究期間 2011~2017
研究担当者 森谷茂樹
國久美由紀
岡田和馬
岩波宏
岩田洋佳
南川舞
片寄裕一
松本敏美
森聡美
佐々木晴美
松本隆
西谷千佳子
寺上伸吾
山本俊哉
阿部和幸
発行年度 2017
要約 細胞壁構成成分の分解に関わる酵素の一種をコードする遺伝子MdPG1の近傍に座乗するDNAマーカーMd-PG1SSR10kdを交雑親の選定および実生個体の選抜に用いることで、粉質化しにくく貯蔵性に優れたリンゴの育種が加速化できる。
キーワード ゲノムワイド連関解析、MdPG1、マーカー選抜、貯蔵性
背景・ねらい リンゴ果実の貯蔵中には、しばしば粉質化が発生して果実品質が低下するため、粉質化しにくい新品種が求められる。そこで、本研究では、貯蔵中の粉質化程度に寄与する量的形質遺伝子座(QTL)を同定するとともに、交雑実生個体の粉質化程度をある程度予測可能なDNAマーカーを開発し、貯蔵性に優れたリンゴ品種の育成を加速化する。
成果の内容・特徴
  1. リンゴ82品種・系統を用いたゲノムワイド連関解析によって、20°Cで4週間保存したリンゴ果実の粉質化程度を制御する染色体領域がリンゴ第10染色体に見いだされる(図1)。
  2. この領域には、細胞壁構成成分の分解に関わるポリガラクチュロネースをコードする遺伝子MdPG1が座乗しており、この遺伝子が粉質化程度に関わる可能性が高いと判断される(図1)。
  3. 「王林」×「あかね」のF1集団を用いたQTL解析を行うと、この領域には粉質化程度に加えて、収穫期に対するQTLも検出される(データ省略)。
  4. MdPG1の10kb下流に座乗するDNAマーカーMd-PG1SSR10kdを用いてリンゴ82品種・系統の遺伝子型を調べたところ、増幅長が異なる3種類のアレルが認められ、82品種・系統全ての遺伝子型を判定できる(表1)。
  5. Md-PG1SSR10kdのマーカー遺伝子型、粉質化程度、および収穫期の関係を調べたところ、1/1型や2/3型では収穫期が粉質化程度に影響する傾向が認められる。また、2/2型が収穫期を問わず最も粉質化しにくい遺伝子型と判断される(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 交雑育種において、Md-PG1SSR10kdは、粉質化しにくい後代が効率よく得られる親を選定する指標として利用できる。
  2. Md-PG1SSR10kdは、交雑実生集団から粉質化しにくい個体を早期選抜するためのDNAマーカーとして利用できる。
  3. Md-PG1SSR10kdはMdPG1の遺伝子領域には座乗しておらず、MdPG1が有する粉質化程度の差をもたらす原因多型を間接的に検出するDNAマーカーである。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029236
カテゴリ 育種 新品種 DNAマーカー 品種 りんご

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