カキ「太月」および「太天」における貼り付け式樹上脱渋法の最適な処理条件

タイトル カキ「太月」および「太天」における貼り付け式樹上脱渋法の最適な処理条件
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究課題名
研究期間 2012~2017
研究担当者 山﨑安津
薬師寺博
岩本一
東暁史
杉浦裕義
発行年度 2017
要約 カキ「太月」および「太天」では、10月上旬に樹上の果実の赤道面両側に1.0gの粉末アルコール資材を銀コートシールで2日間貼り付けることによって、果実品質を損なわずに完全に脱渋できる。
キーワード カキ、脱渋性、樹上脱渋、粉末アルコール、果肉の褐斑
背景・ねらい カキ「太月」と「太天」は、農研機構で育成した大果で品質が優れている不完全渋ガキ品種である。渋ガキは一般的に収穫後に脱渋処理(CTSD脱渋など)を行うが、「太月」では脱渋処理によって条紋の程度が大きくなり、脱渋後の日持ちが短くなること、「太天」では、脱渋に長時間を要する短所がある。そのため、両品種ともに脱渋に伴う短所を回避できる効率的な脱渋法の開発が望まれている。
樹上脱渋は、樹上に着果したままの果実をアルコール処理により脱渋させる方法である。収穫後の脱渋処理は不要となることから果肉は硬く保持され、果面障害などが軽減される効果があるため、技術としては実用化されているものの、慣行法では固形アルコールの準備や袋かけ作業に多くの労力を要する。そこで、収穫前の果実に粉末アルコール資材をシールで果面に貼り付けて脱渋する貼り付け式樹上脱渋法の最適な処理条件を検討する。
成果の内容・特徴
  1. シール素材として銀コートおよびポリエチレンテレフタラート(PET)が脱渋に有効であり、粉末アルコール資材(図1)を果実赤道部の両側に2日間貼り付けることによって「太月」、「太天」ともに完全に脱渋する(図2、表1)。
  2. 貼り付け式樹上脱渋した果実の糖度は、両品種ともにCTSD脱渋と同等である(表1)。また、CTSD脱渋果と比較して果肉硬度は高く(表1)、「太月」では「太天」同様にサクサクとした食感を保持できる。
  3. 粉末アルコール量が0.6gの場合、タンニンプリント値が高く(表2)、果実の果底部に渋味が残る。1.5gでは汚損や条紋の発生が多い(データ略)。
  4. 粉末アルコール量が1.0gで銀コートシールを使用する場合、10月上旬の処理によって両品種ともに完全に脱渋するとともに、果面の汚損が発生せず、果肉の褐斑も少ない(表2)。
  5. 樹上脱渋に伴う果肉の褐斑は、両品種とも9月下旬の処理で多く発生する(表2)。
  6. 貼り付け式樹上脱渋した果実の日持ち性は、CTSD脱渋果と比較して軟化の発生が遅く、両品種とも約7日長く日持ちする(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 銀コートシールを使用した場合、剥がす際に果実表面にシールの一部が残ることがある。
  2. 実用化に向けて、より効率良く着脱が可能なシール素材と接着剤の検討が必要である。
カテゴリ かき 品種

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