機能性成分高含有のチャ品種候補「枕系56-01」

タイトル 機能性成分高含有のチャ品種候補「枕系56-01」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究課題名
研究期間 2014~2017
研究担当者 山下修矢
物部真奈美
吉田克志
荻野暁子
根角厚司
佐波哲次
発行年度 2017
要約 枕系56-01は機能性成分であるG-ストリクチニンおよびテオガリンを高含有するチャ系統である。これら成分は新芽の心や第一葉など葉齢が若い部位に多く含まれる。
キーワード 緑茶品種、枕系56-01、機能性成分、G-ストリクチニン、テオガリン
背景・ねらい 近年、国民の健康への関心は益々高まっており、機能性を有する新たな農産物の育成が求められている。アントシアニンを多く含む「茶中間母本農6号」から見出された機能性成分である1,2-di-O-galloyl-4,6-O-(S)-hexahydroxydiphenoyl-β-D-glucopyranose(以下、G-ストリクチニン)とチャに特徴的に含まれる機能性成分であるテオガリンは、いずれも抗アレルギー作用であるBリンパ球に対するIgE産生抑制作用を有することが明らかにされている。そこで、G-ストリクチニンとテオガリンの含有量が高い機能性緑茶品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 枕系56-01は枕崎(育成地)において2001年に「茶中間母本農6号」から採種された自然交雑実生群より選抜されたG-ストリクチニンおよびテオガリンの高含有系統である(図1、図2)。本系統は新芽の赤い「茶中間母本農6号」と異なり、新芽の色は緑である(図1)。
  2. 樹姿は「やや開張」、樹勢は「強」である。一番茶萌芽期は「やぶきた」と比べて3日早く、摘採日は「やぶきた」より1日早い中生系統である(表1)。生葉収量は全茶期を通じて「やぶきた」より多い。製茶品質は全茶期で「やぶきた」より劣り、苦渋味を呈する(表1)。
  3. 赤枯抵抗性は「弱」で「やぶきた」より劣り、耐寒性は弱い(表1)。また、病害抵抗性は炭疽病に対して「強」、輪斑病に対して「中」で「やぶきた」より優れる(表1)。
  4. G-ストリクチニンは「やぶきた」には含まれない本系統に特徴的な成分で、3.0~4.0%(乾燥重)程度含まれる(図3A)。また、本系統は「やぶきた」に微量しか含まれないテオガリンを2.0%程度含む(図3B)。これら成分は、新芽の心や第一葉など葉齢が若い部位に多く含まれる(図3C、D)。
成果の活用面・留意点
  1. G-ストリクチニンとテオガリンを有効活用するためには、新芽の展葉が進みすぎる前に摘採する必要がある。
  2. 本系統は耐寒性が弱いため、主に暖地における栽培に適する。
  3. 本系統は機能性成分の増強を目的に育成されたものであり、製茶品質は一般的なチャ品種に比べて劣る。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029218
カテゴリ 乾燥 機能性 機能性成分 耐寒性 炭疽病 抵抗性 品種 病害抵抗性

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