フランスパン加工適性が高い暖地・温暖地向け準強力小麦新品種「さちかおり」

タイトル フランスパン加工適性が高い暖地・温暖地向け準強力小麦新品種「さちかおり」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2005~2017
研究担当者 中村和弘
境哲文
平将人
松中仁
杉田知彦
塔野岡卓司
西尾善太
河田尚之
藤田雅也
八田浩一
久保堅司
小田俊介
乙部千雅子
関昌子
石川直幸
高田兼則
谷中美貴子
池田達哉
発行年度 2017
要約 「さちかおり」は早生で稈長がやや短く耐倒伏性のパン用硬質小麦である。穂発芽性がやや難で、容積重が大きい。アミロース含量はやや低く、穀粒硬度が高い。生地の力は「ミナミノカオリ」よりやや弱く準強力的でフランスパン適性がある。
キーワード コムギ、フランスパン、準強力小麦、半数体育種
背景・ねらい 九州地域で広く栽培されているパン用小麦「ミナミノカオリ」は、成熟期がやや遅く、穂発芽性がやや易であるため穂発芽被害を受けやすく、しばしばその被害が問題となっている。その一方で実需者からはフランスパンに適する小麦品種が欲しいとの要望がある。そこで、実需者とフランスパン焼成試験で連携し、フランスパン適性のある早生で穂発芽性を改善したパン用小麦品種を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 「さちかおり」は「西海174号」を母、「中系05-44」を父として人工交配を行い、得られたF1個体由来の半数体倍加系統より選抜する半数体育種により育成された品種である。
  2. 播性の程度はIIの春播性で、「ミナミノカオリ」と比較して、出穂期と成熟期は2~3日程度早い早生種で、稈長は短く、倒伏程度は同等で耐倒伏性がある(表1)。ふ色は黄白色で有芒種である。
  3. 「ミナミノカオリ」と比較して、穂数が多く多収である。容積重が大きく、千粒重はやや小さい。外観品質はほぼ同程度である(表1)。
  4. 穂発芽性は「やや難」、縞萎縮I型抵抗性は「やや強」、うどんこ病抵抗性は「中」、赤さび病および赤かび病抵抗性は「やや弱」である。
  5. 「ミナミノカオリ」と比較して、原粒のたんぱく質および灰分含量は少ないが、穀粒硬度が高い。60%歩留の粉のアミロース含量はやや低く、生地の力はやや弱く準強力的である(表2)。
  6. フランスパン加工適性がすぐれる。「ミナミノカオリ」に比較して、体積が大きく、焼き色が濃く(図1)、2016年佐賀県現地産材料を用いた加工適性試験では、フランスパンは風味が高く(香気成分分析データ省略)、うま味および甘味成分であるアスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アラニン含量が高い(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:小麦生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積:栽培適地は温暖地以西の平坦地。2017年佐賀県主要農産物種子協会より許諾申請が有り、佐賀県東部地域を中心に普及見込み面積は30ha(2020年産)。
  3. その他:フランスパン用途としての「さちかおり」の目標原粒たんぱく質含量は11.5%である(実需者評価より)。目標たんぱく質含量となるように実肥を適当量施用する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029208
カテゴリ 育種 うどんこ病 加工適性 小麦 新品種 抵抗性 品種

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