サトウキビ白葉病の主要な媒介虫に対し高い効果を示す殺虫剤

タイトル サトウキビ白葉病の主要な媒介虫に対し高い効果を示す殺虫剤
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2018
研究担当者 小堀 陽一
安藤 象太郎
Hanboonsong Yupa
発行年度 2017
要約 ジノテフランは、サトウキビ白葉病の主要媒介虫であるタイワンマダラヨコバイに対し高い殺虫効果を有するが、サトウキビ圃場でズイムシ防除用に放飼されている天敵昆虫への影響が少ない。本剤は健全種茎増殖圃場で本病の虫媒感染リスクを低下させる技術の開発に利用できる。
キーワード 虫媒伝染性病害, 媒介虫, 化学的防除, 殺虫剤, ファイトプラズマ病
背景・ねらい サトウキビ白葉病は、東南アジア等で発生し、タイのサトウキビ生産において特に大きな経済的被害を及ぼしている虫媒伝染性のファイトプラズマ病である。本病に対しては、感染後の有効な治療法がないことから、生長点培養法により作出された健全種茎の配布を基盤技術とする総合防除体系の開発が進められている。しかし、健全種茎の増殖圃場において、白葉病の主要媒介虫であるタイワンマダラヨコバイ(Matsumuratettix hiroglyphicus) 等により種茎が白葉病に感染し、健全種茎が増殖できないという問題がある。そこで、健全種茎増殖圃場における白葉病の虫媒感染リスクを低下させる技術を開発するため、タイワンマダラヨコバイの防除に適した殺虫剤を探索する。
成果の内容・特徴
  1. ポットで2か月栽培したサトウキビに、タイ国内で市販されている様々な系統の殺虫剤7種類を施用すると(図1 a)、シハロトリン2.5%乳剤、チアメトキサム25%顆粒水和剤、ジノテフラン1%粒剤でタイワンマダラヨコバイへの高い殺虫効果が比較的長期間維持される(表1)。
  2. 定植後6~7か月のサトウキビ圃場に、タイワンマダラヨコバイに対する効果が高い3種類の薬剤をそれぞれ施用し(図1b)、小型リーフケージを用いて残効性を調査すると(図1c)、ジノテフラン1%粒剤の残効性が最も高い(表2)。
  3. タイのサトウキビ圃場においてズイムシ対策として放飼されている天敵昆虫であるコマユバチの1種Cotesia flavipesおよびタマゴバチの1種Trichogramma confusumに対する死亡率は、タイワンマダラヨコバイに対して高い殺虫効果が見られる3種類の薬剤のうち、ジノテフラン1%粒剤で低く、対照の蒸留水とほぼ同程度である(表3)。
  4. 以上より、ジノテフラン1%粒剤は、タイワンマダラヨコバイに対する殺虫効果が高く、ズイムシ防除のために放飼されている天敵昆虫に対する影響が少ない。
成果の活用面・留意点
  1. 健全種茎を圃場で大量生産するためには、無病種茎の定植と媒介虫による白葉病感染リスク抑制の両者が必要であるが、本成果は後者に寄与する。
  2. 本成果を用いて、ジノテフラン1%粒剤を基盤薬剤とする化学的防除法を開発するためには、サトウキビの生育段階ごとの残効期間を推定するとともに、サトウキビ圃場におけるタイワンマダラヨコバイ個体数の季節変動を把握し、合理的な薬剤処理時期および施用量を検討する必要がある。
  3. タイのサトウキビ圃場においてジノテフラン1%粒剤を商業的に施用するためには、農薬登録を行う必要がある。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2017_b12
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029200
カテゴリ 季節変動 栽培技術 さとうきび 治療法 農薬 防除 薬剤

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