耐病性と耐倒伏性に優れる飼料用サトウキビ新品種候補「KY09-6092」

タイトル 耐病性と耐倒伏性に優れる飼料用サトウキビ新品種候補「KY09-6092」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2017
研究担当者 早野美智子
境垣内岳雄
服部太一朗
寺内方克
樽本祐助
服部育男
田中穣
安達克樹
石川葉子
寺島義文
松岡誠
梅田周
発行年度 2017
要約 飼料用サトウキビ系統「KY09-6092」は黒穂病をはじめさび病などの耐病性に優れた系統である。「KRFo93-1」や「しまのうしえ」に比べ株出し収量は同程度で耐倒伏性に優れている。
キーワード 飼料用サトウキビ、病害抵抗性、耐倒伏性
背景・ねらい 全国の子牛セリ頭数の約15%を占める南西諸島の畜産経営の問題点として、島であり畑の面積が少なく、また台風や干ばつなどが頻繁に襲来するため粗飼料の増産が容易でないことがあげられる。粗飼料増産に向けて既存の飼料作物ローズグラスより多収となる飼料用サトウキビ品種として、鹿児島県熊毛地域向けには「KRFo93-1」鹿児島県奄美地域および沖縄県向けには「しまのうしえ」を育成し、普及が進められている。
一方で「KRFo93-1」は多回株出し圃場でのさび病類の多発が認められる。また、「しまのうしえ」は収穫時期が遅れた際の倒伏が著しいことが問題となっている。さらに両品種とも最重要病害である黒穂病への抵抗性を高めることが求められていた。そのため、黒穂病等の病害抵抗性に優れ、さらに耐病性・耐倒伏性に優れた新品種を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 「KY09-6092」は、製糖用品種「NiF8」を種子親、黒穂病抵抗性に優れる国内自生野生種「西表8」を花粉親とする。
  2. 「KY09-6092」は、黒穂病抵抗性が"極強"である(表1)。また、サトウキビ主要病害に対する抵抗性が高く、さび病・モザイク病抵抗性は"強"である(表1)。
  3. 「KY09-6092」は育成地の種子島において「KRFo93-1」よりも特に多回株出し栽培において高い乾物収量と可消化乾物収量が得られる(図1、表2)。
  4. 「KY09-6092」は収穫時の草姿は直立であり(図2)、「しまのうしえ」と比較して耐倒伏性に優れている(表1)。そのため機械収穫による作業適性が高い。
成果の活用面・留意点
  1. 南西諸島全域において活用を想定しているが、特に鹿児島県奄美地域および沖縄県においては「しまのうしえ」に比べ耐倒伏性に優れることから、機械収穫を前提とした畜産経営農家、飼料生産組織等を中心に活用できる(作付け見込面積50ha)。
  2. 新植時の初期生育が既存品種に比べやや劣るので、雑草害に留意する。
  3. 飼料用他2品種との識別形質として葉鞘の毛群が多いことが特徴である。そのため手刈り作業には向かない。
  4. 「KY09-6092」の乾物収量は沖縄県では「しまのうしえ」に比べ劣る場合がある。
  5. 糖度が低く、繊維分が多いため、製糖用としては利用できない。
  6. 飼料用サトウキビは沖縄ではケーングラスとも呼称する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029194
カテゴリ 経営管理 さとうきび 雑草 飼料作物 飼料用作物 新品種 抵抗性 品種 病害抵抗性

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