米粉100%パンはサツマイモ粉添加により硬化が抑制できる

タイトル 米粉100%パンはサツマイモ粉添加により硬化が抑制できる
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2016~2017
研究担当者 青木法明
発行年度 2017
要約 米粉の一部をサツマイモ粉に置換することで、サツマイモのβ-アミラーゼの作用により、米粉100%パンの保存中の硬化を抑制することができるが、パンの膨らみを保持するためには、置換率は5%程度までとすることが望ましい。
キーワード β-アミラーゼ、米粉100%パン、サツマイモ
背景・ねらい 米粉100%パン(米粉、水、イースト、砂糖、食塩、油脂だけを原料とするパン)は、小麦アレルギー患者等でも食べられるという特長がある。しかし、小麦粉パンより硬化しやすく、保存性が劣るという課題がある。パンが硬化する要因の一つはデンプンの老化であるため、小麦粉パンでも既存のグルテンフリーパンでも、硬化抑制の目的でデンプン分解酵素(アミラーゼ)の添加が行われている。そこで、より入手しやすいアミラーゼ含有食品としてサツマイモに着目し、米粉の一部を市販のサツマイモ粉に置換することにより、米粉100%パンの硬化抑制を図る。
成果の内容・特徴
  1. 米粉にはβ-アミラーゼ活性がほとんど含まれていない。また、サツマイモ粉は製品によってβ-アミラーゼ活性が大きく異なる(表1)。
  2. 図1に示すように、パン生地に含まれるβ-アミラーゼの総量とパンの硬化速度(1日あたりのパン硬さの変化)との間には有意な負の相関がある。アミラーゼ活性が高いサツマイモ粉を米粉の5%置換して作られたパンは、置換せずに作られたパンに比べ、硬化速度は約1/3に低下する。
  3. サツマイモ由来のβ-アミラーゼをパンに添加した場合、添加量が増えるに従いパンの硬化速度が減少する(図2)。すなわち、サツマイモ粉の置換によるパン硬化速度の低下は、アミラーゼの影響であることが強く示唆される。
  4. サツマイモ粉の置換率が高くなるとパンの膨らみは低下し、アミラーゼ活性の高いサツマイモ粉を用いた場合には、置換率10%以上になると膨らみの低下が著しい(図3)。そのため、置換率は5%程度までにすることが望ましい。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究の米粉100%パンは、水稲「ミズホチカラ」由来の米粉を用い、ホームベーカリーにより作られたものである。
  2. 米粉やサツマイモ粉などの材料は全て市販のものを用いており、一般家庭でも硬化しにくい米粉100%パンを作ることができる。
  3. サツマイモ粉5は、アミラーゼ活性が高いことが知られている「べにはるか」由来の製品である。
  4. 表1に示したように、サツマイモ粉は製品によって大きくβ-アミラーゼ活性が異なるため、活性が高い製品を選ぶことが望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029182
カテゴリ かんしょ 小麦 水稲

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