農業生態系に生息する土着カブリダニ類の種を識別するマニュアル中級編

タイトル 農業生態系に生息する土着カブリダニ類の種を識別するマニュアル中級編
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2016~2017
研究担当者 豊島真吾
岸本英成
日本典秀
武田光能
発行年度 2017
要約 本マニュアルは、農耕地と周辺自然植生で採集される土着65種と導入4種のカブリダニ類の識別法を解説するマニュアルである。描画を活用して識別に重要な「胴背毛」の理解を促し、その配置や長さを比較して識別に利用する。
キーワード 天敵、カブリダニ類、識別、土着種、導入種
背景・ねらい 果樹、茶、露地野菜では、減農薬栽培の普及に伴って土着天敵類の利用場面が増え、効果的な活用の検討が始まっている。難防除害虫のハダニ類やアザミウマ類などの捕食性天敵であるカブリダニ類は、施設野菜類で生物農薬として利用が普及し、露地作物では土着種の利用が期待されている。多様なカブリダニ類の利活用を推進するには,農業に有用な土着種の選抜やその利用効果の判定を支えるための土着種の識別技術が不可欠である。そこで、すでに公表しているカブリダニ識別マニュアル初級編(http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/narc/manual/055878.html)よりも識別対象種を増やし、土着65種と導入4種を識別するマニュアルを作成し、土着カブリダニ類の利用を推進する。
成果の内容・特徴
  1. 本マニュアルでは1981年から2016年までに農耕地と周辺自然植生で採集されたカブリダニ類の採集記録を整理し、農耕地でほとんど採集されない31種を除き、累積採集数が3頭以上の土着65種と導入4種を識別対象とする。
  2. 初級編では顕微鏡画像を多く掲載して直感的・直接的な識別を促していたが、本マニュアルでは描画を多く掲載して観察する形質を明確にし、識別に利用する形質の「胴背毛」の理解を促す。
  3. 本マニュアルでは、胴背毛の有無を確認してカブリダニ科の下位分類単位である3亜科を識別し、胴背毛の配置や長さを比較するよう構成される(図1)。
  4. ムチカブリダニ亜科では土着43種と導入4種、ホンカブリダニ亜科では土着13種、カタカブリダニ亜科では土着9種を識別する。
  5. 種の識別や露地作物での活用の参考となる主要カブリダニ種の寄主植物リスト(図2)と主要植物のカブリダニ種構成比(図3)を掲載する。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:都道府県研究機関、普及指導機関、大学。
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:環境保全型農業を推進する果樹、茶の生産地域。カブリダニ製剤を利用する施設野菜および露地野菜の栽培地域。
  3. その他:本技術をまとめたマニュアルは、農研機構のサイト(下記「発表論文等」参照)からダウンロードできる。なお、カブリダニ類の標本作製には実体顕微鏡、種の識別には位相差(もしくは微分干渉)顕微鏡が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029143
カテゴリ 害虫 土着天敵 農薬 防除

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