静置式の木質チップ通風乾燥方法

タイトル 静置式の木質チップ通風乾燥方法
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2013~2017
研究担当者 竹倉憲弘
山下善道
金井源太
薬師堂謙一
発行年度 2017
要約 水分が高く熱効率が悪いことが燃料利用の際の障害になっている切削チップ等の木質チップを、発電廃熱等を利用して静置で通風乾燥する方法である。フレコンを利用した1m3程度の小ロットの乾燥方法と、60~300m3規模の大型の乾燥設備の2方式がある。
キーワード 木質チップ、切削チップ、静置式、通風乾燥、廃熱利用
背景・ねらい 施設園芸では、化石燃料価格の高騰時に木質ペレット用の暖房機が多数導入された経緯がある。しかしながら、ペレット価格が石油換算70円/Lとコスト高であるという問題があり十分な活用がなされていないため、ペレットより安価な木質チップを暖房機用の燃料とすることを検討する。木質チップのうち切削チップ等は水分が50~60%w.b.と高く、燃料として利用するには熱効率が悪いため乾燥の必要がある。乾燥は野積みでも可能であるが、1年以上の長時間を要する。チップ乾燥にロータリーキルン式の通風乾燥機が用いられる場合もあるが、250°C以上の高温が必要な上に、設備が高額であるためコストが見合わない。一方で、木質バイオマス発電等では発電時の廃熱利用を推進しようとしている。そこで、1m3のネットフレコンで通風乾燥試験を行い、その結果をもとに発電廃熱等の利用を想定した60~300m3規模の大型の通風乾燥設備の仕様を試算する。
成果の内容・特徴
  1. 燃料利用の前処理として、水分50~60%w.b.の切削チップ等を堆積して静置で通風乾燥する方法である。施設園芸農家等が小ロットの乾燥に使用することを想定したフレコンによる1m3程度の乾燥方法と、発電事業者や木質チップ製造業者への導入を想定した60~300m3規模の大型の乾燥設備の2方式がある。
  2. 市販のネットフレコン(直径1100mm、高さ1150mm)に切削チップを堆積高さ1m(容量1m3)で充填し下部から熱風を送り通風乾燥する(図1)と、通風温度100°Cでは水分20%w.b.まで約10hで乾燥できる。ネットフレコンは網目状になっており側面から熱風が吹き抜けるため、側面を耐熱ビニール系素材に変更し、高さを1500mmにして試作した通風乾燥用耐熱フレコンを図2に示す。この耐熱フレコンは4隅に配した支柱により自立し、支柱を取り外すことでコンパクトに収納できる。また、フレコンのまま移し替えることなく運搬および乾燥を行うことができるため、作業を軽労化できる。
  3. 60~300m3規模の大型の乾燥設備として、通気式堆肥舎と同様の構造物にチップを堆積し、床面から廃熱等を通風し乾燥することを想定した通風乾燥設備の概略図およびイメージ写真を図3に示す。送風温度100°C、堆積高さ2.5mで3日間で乾燥させる場合で試算した通風乾燥設備の仕様を表1に示す。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:木質バイオマス発電事業者、木質チップ製造業者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:木質チップ通風乾燥設備は2018年に秋田県の発電事業者および熊本県のチップ製造業者への設置が決まっている。
  3. その他:バイオマス発電の発電効率は高くなく、半分以上が廃熱として棄てられているため、廃熱の有効利用法として通風乾燥設備が適用できる。通風乾燥用耐熱フレコンは受注生産。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029138
カテゴリ 乾燥 軽労化 コスト 施設園芸

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