作期移動を行った乾田直播水稲における生育ステージの進行

タイトル 作期移動を行った乾田直播水稲における生育ステージの進行
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2017
研究担当者 安本知子
小島誠
牧夏海
澤田寛子
松崎守夫
大下泰生
発行年度 2017
要約 水稲乾田直播栽培において、作業分散のために早晩性の異なる品種を組み合わせる場合、日長反応性により作期間の生育日数の変動に品種間差を生じるため、播種時期によって成熟期の差が短縮するなどの作期変動を考慮した作付け計画が必要となる。
キーワード 水稲、乾田直播、作期、作業分散
背景・ねらい 水田輪作体系の確立において、後作の畑作物での湿害軽減や作業性向上のため、水稲の乾田直播栽培の導入は有効である。また大規模経営体が増加する状況の下、代かきが不要で播種時の用水確保が不要な乾田直播は、播種期を広く設定でき作業分散が可能で今後増加が見込まれる。乾田直播水稲の出穂日までの日数は、出穂日の平均気温が高くなる早播や日長が短くなる晩播で短くなる品種があり、品種毎の感温性、感光性が影響している(Yasumoto et al.,2017)。本研究では、水稲の乾田直播栽培における作期分散や品種の組み合せ選定、肥培管理等の基礎知見となる播種日と成熟期、各生育ステージ進行の関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 播種日を移動した乾田直播水稲の成熟期の品種間差は、5月1日播種が最も大きく、5月14日以降の播種時期では品種間差が縮小する(図1)。播種日と成熟期の関係から品種選定することで、播種期や収穫期の分散が可能な栽培体系の構築が可能となる。
  2. 播種日が遅くなると気温が上昇するため、乾田直播水稲のいずれの品種も出芽揃までの日数は短くなる(図2)。出芽揃から止葉が抽出する時期までの日数も播種日が遅くなると短くなる傾向だが、短縮の程度は極早生品種「ふさこがね」より中晩生品種「あきだわら」で大きい。このため、播種から止葉の抽出までの期間の品種間差は播種日が遅くなると縮小する(図2)。
  3. 6月16日に播種した中晩生品種「あきだわら」の止葉が抽出する時期は8月中旬で、幼穂分化は日長が14時間程度の7月下旬となる。日長制御温室の結果から中晩生品種「あきだわら」の日長反応性は、極早生品種「ふさこがね」、早生品種「コシヒカリ」より大きいため、播種から止葉の抽出までの日数の品種間差は播種日が遅くなると小さくなる(図2、表)。
成果の活用面・留意点
  1. 上記の情報は、規模拡大を目指した水田輪作体系に乾田直播を組み込む際に、日長反応性を考慮した品種の組み合わせや作付体系の構築のための基礎知見となる。
  2. 本試験の圃場試験は農研機構中央農業研究センター谷和原水田圃場(茨城県つくばみらい市)での試験結果である。
    (安本知子) 
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029134
カテゴリ 乾田直播 規模拡大 栽培体系 湿害 水田 水稲 大規模経営 播種 肥培管理 品種 輪作体系

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