多収で麺に適する高アミロース米水稲新品種「亜細亜のかおり」

タイトル 多収で麺に適する高アミロース米水稲新品種「亜細亜のかおり」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2008~2017
研究担当者 前田英郎
笹原英樹
松下景
長岡一朗
山口誠之
三浦清之
重宗明子
後藤明俊
発行年度 2017
要約 「亜細亜のかおり」は、多収の高アミロース品種である。現在普及している「越のかおり」と同等の米麺加工適性を持ち、収量が3割程度多い。寒冷地南部では晩生に分類され、中生の主力品種「コシヒカリ」との作期分散が可能である。
キーワード イネ、高アミロース米、米麺、多収、晩生
背景・ねらい 食料自給率の向上および主食用米の過剰対策の目的で、米粉用米など新規需要米の作付けが推進されている。麺の原料には高アミロース米が適するとされており、複数のレストランチェーンが高アミロース米品種「越のかおり」から製麺したアジア風の麺を採用し、好調な売れ行きを見せている。しかし「越のかおり」の収量性は良食味品種並みの水準であり、新規需要米としては不十分であるため、収量性が向上した品種に対する要望が高まっていた。この要望に応えるため、麺に加工した際の品質はそのままで、収量性が高い品種「亜細亜のかおり」を育成した。
成果の内容・特徴
  1. 「亜細亜のかおり」は、多収の高アミロース米品種の育成を目的として、「関東239号」(後の「やまだわら」)を母とし「北陸207号」(後の「越のかおり」)を父とする交雑後代から育成した品種である。
  2. 出穂期は「日本晴」より1日程早く、成熟期は「日本晴」より2日程遅く、育成地では"晩生"に属する。稈長は「日本晴」より3cmほど短く、穂数は「日本晴」よりやや少ない。耐倒伏性は"中"である(表1)。
  3. 収量性は「日本晴」より、標肥で21%、多肥で24%程度多収となり、「越のかおり」よりも3割程度多収となる(表1)。玄米千粒重は「日本晴」よりやや大きい。玄米品質は「日本晴」「越のかおり」より劣るが、米麺原料としては問題ない(表1)。
  4. いもち病真性抵抗性遺伝子Piiを有すると推定され、葉いもち圃場抵抗性は"やや強"、穂いもち圃場抵抗性は"弱"である。白葉枯病抵抗性は"中"、縞葉枯病に対しては"罹病性"、障害型耐冷性は"弱"、穂発芽性は"やや難"である(表1)。
  5. 精米中アミロース含有率は「日本晴」より明らかに高く、「越のかおり」並みである(表2)。尿素崩壊性は「越のかおり」と同じく"難"である(表1)。
  6. 米麺に加工した際の食味は、外観、香り、うま味、なめらかさ、弾力、硬さ、総合評価のいずれも「越のかおり」と差がない(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は北陸・関東以西である。エスニック料理のレストランチェーンを経営する実需者等との契約により、新潟県上越市の生産者団体において100ha規模の普及が計画されている。
  2. 栽培に際しては以下のことに注意が必要である。葉いもちには"やや強"であるが、穂いもちに弱いことから、生育初期の段階からいもち病の防除を徹底する。縞葉枯病に罹病性であるため、常発地での栽培は避ける。耐倒伏性は"中"であり過剰な施肥では倒伏するため、地力に応じた施肥を心がける。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029128
カテゴリ いもち病 加工 加工適性 経営管理 縞葉枯病 新品種 水稲 施肥 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 防除 良食味

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