高温登熟性および耐倒伏性に優れ、多収で縞葉枯病抵抗性の水稲新品種「にじのきらめき」

タイトル 高温登熟性および耐倒伏性に優れ、多収で縞葉枯病抵抗性の水稲新品種「にじのきらめき」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2009~2017
研究担当者 前田英郎
笹原英樹
松下景
長岡一朗
山口誠之
三浦清之
重宗明子
後藤明俊
発行年度 2017
要約 「にじのきらめき」は、コシヒカリ熟期の良食味水稲粳品種である。高温登熟性、耐倒伏性に優れ、多収で縞葉枯病に抵抗性であるため、麦作地帯を含む地域において、特に大規模経営農家を対象に中食・外食向け品種としての普及が見込まれる。
キーワード イネ、高温登熟性、耐倒伏性、多収、縞葉枯病抵抗性
背景・ねらい 近年の温暖化傾向により、北陸および関東地域における基幹品種であるコシヒカリの玄米品質低下が顕著になってきている。また、担い手への農地の集約が進み、100haを超える大面積を経営する水稲生産者が増加している。大規模経営者の多くは多様な品種構成を取り入れることで作期分散を図っているが、コシヒカリ熟期に導入できる中食・外食向け品種の選択肢は現状限られている。特に成熟期に概ね倒伏してしまうコシヒカリは、収穫作業効率が非常に悪く、経営上の大きな足かせとなっている。以上から、高温登熟性および耐倒伏性に優れ、コシヒカリ熟期で関東の麦作地域にも導入可能な縞葉枯病抵抗性の多収品種が強く望まれている。このような需要に応えるべく、高温登熟性と耐倒伏性に優れ、多収で縞葉枯病に抵抗性の中食・外食向け品種育成を目指す。
成果の内容・特徴
  1. 「にじのきらめき」は、「西南136号(後の「なつほのか」)」を母とし、「北陸223号」を父として交雑した後代から育成された品種である。
  2. 出穂期は「コシヒカリ」とほぼ同じで、成熟期は「コシヒカリ」より4日ほど遅く、育成地では"中生"に属する。稈長は「コシヒカリ」より25cmほど短く、穂数は「コシヒカリ」よりやや多い。耐倒伏性は"強"である(表1)。
  3. 収量性は「コシヒカリ」より明らかに優り、標肥では15%、多肥では30%ほど多収である。玄米千粒重は「コシヒカリ」よりやや大きく、玄米品質は「コシヒカリ」より明らかに優れる。炊飯米の食味はコシヒカリ並みである(表1)。
  4. いもち病真性抵抗性遺伝子は"Pia,Pii"と推定され、葉いもち圃場抵抗性は"中"、穂いもち圃場抵抗性は"やや強"である。白葉枯病抵抗性は"やや弱"、縞葉枯病には"抵抗性"、障害型耐冷性は"弱"、穂発芽性は"難"、高温登熟性は"やや強"である。(表1、表2)。
  5. 各府県における奨励品種決定調査では、標準品種に対して多収、良質の事例が多く、広域適応性があるものと考えられる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は、東北南部、北陸および関東以西の地域である。関東地域以西で100ha程の作付けが計画されている。
  2. 耐倒伏性は強いが、極多肥条件では倒伏の可能性もあり、食味の低下も懸念されるため、地力に応じた適切な肥培管理を行う。
  3. 白葉枯病にやや弱いため、常発地での栽培には注意する。
  4. 障害型耐冷性が不十分であるため、冷害の起きやすい地域での作付けは避ける。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029127
カテゴリ いもち病 経営管理 縞葉枯病 新品種 水稲 大規模経営 抵抗性 抵抗性遺伝子 凍害 肥培管理 品種 良食味

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