β-グルカンが多い大麦の麦ご飯を食べ続けると内臓脂肪面積が低下する

タイトル β-グルカンが多い大麦の麦ご飯を食べ続けると内臓脂肪面積が低下する
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター
研究課題名
研究期間 2013~2016
研究担当者 吉岡藤治
柳沢貴司
一ノ瀬 靖則
神山紀子
小前幸三
髙橋飛鳥
阿部大吾
青江誠一郎
発行年度 2016
要約 試験食にβ-グルカン含量の多い大麦(キラリモチ米粒麦50%)、対照食にβ-グルカンを含まない大麦を用いた麦ご飯を12週間食べる無作為化二重盲検プラセボ対照介入試験で内臓脂肪面積100cm2以上の被験者は試験食群の内臓脂肪面積が有意に減少する。
キーワード β-グルカン、もち性大麦、キラリモチ、内臓脂肪面積、ヒト介入試験
背景・ねらい 大麦の胚乳細胞壁に含まれるβ-グルカンには健康機能性に関する多くの研究報告がある。そこでβ-グルカンを多く含み、食味に優れるもち性大麦の米粒麦を試験食、β-グルカンを含まない大麦を対照食とした麦ご飯を12週間、毎日食べ続けるという長期のヒト介入試験を実施する。大麦β-グルカンの健康機能性の具体的な効果を明らかにすることで、これを含む大麦の健康機能性の認知度を高めて需要を拡大して、国産大麦の生産拡大が期待できる。
成果の内容・特徴
  1. 試験食にはβ-グルカン含量の多い大麦(キラリモチ米粒麦50%、1日当たり4.4gのβ-グルカン)、対照食にβ-グルカンを含まない大麦を用いた麦ご飯(レトルトパック)を12週間、毎日2パック食べる無作為化二重盲検プラセボ対照介入試験で実施する。どちらも内容量は200g/パックであり、栄養成分を示す(表1)。
  2. 両方の群で、試験開始前後で内臓脂肪面積が有意に減少した(内臓脂肪面積:試験食群で-10.7cm2、対照食群では-6.8cm2)が、群間で有意差はない(図1)。
  3. 100cm2以上の内臓脂肪面積を有する被験者を対象にしたところ対照食群、試験食群がそれぞれ30人ずつであった。両方の群で内臓脂肪面積が有意に減少し、試験食群の減少は対照食群より有意に大きく、両方の群間での有意差がある(図2)。このことはβ-グルカンを一定以上摂取すると内臓脂肪が減少することを意味する。
  4. 内臓脂肪面積が100cm2以上の被験者において体重、BMI、および胴囲の有意な減少があり、体重とBMIは両方の群間での有意差がある(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. ウエスト85cm以上(男性)または90cm以上(女性)および体格指数(BMI)≧24kg /cm2の100人の日本人被験者で実施した。100人を無作為に対照食50人、試験食50人に割り付けている。
  2. 二重盲検試験(ダブル・ブラインド・テスト)とは試験食と対照食のどちらを食べているかを試験者側と被験者の両方が知らない試験のことである。プラセボとは一般的には偽薬のことを指すが、ここでは「対照食」のことを意味する。
  3. 日本の「機能性表示食品」の精麦関連製品では一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分「大麦β-グルカン含量」は3gとしているものが多いが、内臓脂肪面積の減少に言及した食品はない。
  4. パックご飯の栄養成分は日本食品分析センターに依頼した。β-グルカン含量は農研機構で分析した。
  5. 本研究は機能性食品開発プロ(2013-15)で実施された。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029040
カテゴリ 大麦 機能性 生産拡大 機能性食品 良食味

この記事は