飼料用米生産に適した多収の水稲新品種「くらのぬし」

タイトル 飼料用米生産に適した多収の水稲新品種「くらのぬし」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 次世代作物開発研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2016
研究担当者 石井卓朗
松原一樹
佐藤宏之
後藤明俊
黒木慎
山口誠之
春原嘉弘
加藤浩
安東郁男
根本博
井邊時雄
小林伸哉
平林秀介
竹内善信
常松浩史
太田久稔
前田英郎
出田収
平山正賢
池ヶ谷智仁
津田直人
田中淳一
発行年度 2016
要約 「くらのぬし」は、温暖地東部において出穂期が"やや晩"、成熟期が"晩"に属する粳系統で、温暖地東部の主食用品種との作期分散が可能である。粗玄米収量が高く、葉いもちに強いため、飼料用米の低コスト安定生産に適する。
キーワード 水稲、多収、飼料用イネ、飼料用米
背景・ねらい 食料自給率・自給力の向上を図るため、水田のフル活用が推進されており、全国農業協同組合連合会(JA全農)ではその有効な方策の一つとして、飼料用イネの作付け拡大に向けた取り組みを進めている。飼料用イネの作付けには、労力や農業機械の競合を避けるため、主食用品種との作期分散を図る必要がある。そこで、JA全農と共同研究を行い、温暖地東部の主食用品種との作期分散が可能となる飼料用米安定生産に適した多収品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「くらのぬし」は飼料用の多収品種を育成することを目標として、多収系統「北陸糯181号」と「北陸193号」との交配後代より育成された粳系統である。
  2. 育成地における「くらのぬし」の出穂期は"やや晩"、成熟期は"晩"に属し、出穂期、成熟期ともに「北陸193号」並である(表1)。
  3. 「北陸193号」と比べて、稈長は3cm長く、穂長は2cm程度短く、穂数は少ない。草型は"極穂重型"である(表1)。
  4. 粗玄米収量は、「北陸193号」に対して、早植・多肥栽培で7ポイント高く、87.7kg/aと多収である。千粒重は24.6gで「北陸193号」よりも約2g大きい(表1)。現地試験においても、比較品種以上の収量性を示す(表2)。
  5. 耐倒伏性は「北陸193号」よりやや弱く、「もちだわら」並の"強"、穂発芽性は「北陸193号」並の"かなり難"である(表1)。
  6. いもち病真性抵抗性遺伝子型は、Pia、Pib、Pi20を持つと推定される。圃場抵抗性は、葉いもちは"やや強"、穂いもちは不明である。白葉枯病抵抗性は"やや強"である。縞葉枯病には"抵抗性"である(表1)。
  7. 玄米の外観品質は「北陸193号」より劣る。食味は「日本晴」より劣る(表1)。粒形はやや細長く、食用品種と識別が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は関東・北陸以西である。2017年度はJA常陸管内等で数haの作付が開始され、以降はJA全農のネットワークを活かして、関東以西での普及が進められる。
  2. 4-HPPD阻害型除草剤には抵抗性である。
  3. 脱粒性が"やや易"なので、刈り遅れないように適期刈り取りにつとめる。
  4. 耐倒伏性は"強"であるが、極端な多肥栽培は避ける。
  5. 種子の休眠性が深いため、播種に際しては休眠打破などの処理を行う。
  6. JA全農との共同研究「業務用米・飼料用米に適した多収品種の開発」の成果である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010029038
カテゴリ いもち病 縞葉枯病 飼料用米 飼料用作物 新品種 除草剤 水田 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 低コスト 播種 品種 良食味

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