豚流行性下痢の発生が日本の養豚場の生産性に与える影響の解析

タイトル 豚流行性下痢の発生が日本の養豚場の生産性に与える影響の解析
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究課題名
研究期間 2015~2016
研究担当者 山根逸郎
山崎尚則
石関紗代子
渡部佑悟
奥村華子
大久保光晴
呉克昌
早川結子
古川誠
大井宗孝
水上佳大
伊藤貢
発行年度 2016
要約 豚流行性下痢(PED)発生農場は、非発生農場より哺乳中死亡率が高く、出荷頭数が少ない。PED発生による経済損失は、母豚当たり¥31,400である。PEDの発生予防により、養豚場の生産性と収益の低下を阻止することが可能である。
キーワード 豚流行性下痢、PigINFO、生産成績、疫学調査
背景・ねらい 豚流行性下痢(PED)は食欲不振と水溶性下痢を主徴とする豚の急性伝染病である。2013年10月1日に沖縄県で発生したPEDは全国的に発生が相次ぎ、2014年8月末の時点で、38道県、817戸、38万5,000頭の死亡が確認されている。今回、養豚の生産性評価システム(PigINFO)に参画している農場99戸を対象に、2014年4月~6月(PED流行期間)にPEDが発生し臨床症状が30日以上観察された農場群(長期発生農場28戸)と30日未満であった農場群(短期発生農場10戸)と非発生農場群(非発生農場61戸)に分類し、PEDの発生による生産性指標(哺乳中死亡率、母豚1頭あたりの出荷頭数)への影響を定量的に調べる。さらに得られた生産成績の数値を用いて、PED発生による経済的な損失を推定する。
成果の内容・特徴
  1. PED流行期間に、長期発生農場と短期発生農場の哺乳中死亡率は非発生農場より高い(図1)。2014年10-12月期(PED流行期間の180日後)に、長期発生農場の出荷頭数(/母豚/年)は非発生農場に比較して3.88頭低い。短期発生農場の出荷頭数(/母豚/年)は、非発生農場に比較して2.1頭低いが、長期発生農場よりは高い(図2)。
  2. 本調査では、PEDの発生に関わる哺乳豚の死亡数の増加による出荷頭数減を定量的に評価した。長期発生農場のPED発生による出荷頭数減から推定される経済損失は、母豚当たり¥31,400である。
  3. PEDの発生による出荷頭数減は、短期発生農場よりも長期発生農場において著しかった。したがって、PEDの発生にあたっては、早期の対応により発生期間を短く抑えることにより、経済的な損失を小さく抑えることが可能となる。
成果の活用面・留意点
  1. 本研究成果は、我が国で発生したPEDの生産性や経済的損失を調べた数少ない報告である。上記のPED流行期間の後も、2015年9月から2016年8月の間に、全国16道県の107戸の農場でPEDの発生が確認されている。今後の発生を予防し、早期摘発淘汰を継続・維持する上で、本データは有効に活用される。
  2. PigINFOは継続的に養豚農場の生産性を記録することが可能で、疾病等が発生した際に、その生産性や経営への影響を推定することが可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028970
カテゴリ 経営管理 出荷調整

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