圃場で栽培するレタスにおいて、花成進行に伴って発現量が増加する花成関連遺伝子群LsFT、LsFVEL、LsFLDL、LsLDL

タイトル 圃場で栽培するレタスにおいて、花成進行に伴って発現量が増加する花成関連遺伝子群LsFT、LsFVEL、LsFLDL、LsLDL
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究課題名
研究期間 2011~2016
研究担当者 福田真知子
柳井洋介
中野有加
佐々木英和
浦上敦子
岡田邦彦
発行年度 2016
要約 花成制御における、花成経路統合遺伝子のレタスホモログLsFTおよび自律的花成経路遺伝子のレタスホモログLsFVEL、LsFLDL、LsLDLは、露地圃場で花芽形成が観察されたレタスの葉において、花成の進行に伴い発現量が増加する。
キーワード 花成経路統合遺伝子、自律的花成経路遺伝子、花芽形成決定遺伝子
背景・ねらい 栄養生長期の葉を収穫して利用するレタス(Lactuca sativa L.)において、花成は収量および品質の低下を引き起こすことから栽培上の生産制限要因のひとつである。本研究はレタス花成を制御する分子機構を解明し、この問題を解決することを目指すものである。多くの植物で花成に関連する遺伝子群が単離され、その発現と花成制御の関係が解析されているが、レタスにおいては花成経路統合遺伝子のホモログLsFTが報告されているのみである[1、2]。レタスの花成に協調して発現する遺伝子群を明らかにすることは、表現型の評価に加えて遺伝子発現レベルで多くの情報が得られ、栽培・育種技術開発を加速できると期待される。そこで本研究では、花成関連遺伝子を単離し、圃場で栽培するレタスにおける発現動態を明らかにする。また、生育特性の異なるレタス品種・系統における花成と遺伝子発現の関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. レタスの花成関連遺伝子として、花芽形成決定遺伝子のレタスホモログ、LsLFYL、LsAP1L、および自律的花成経路遺伝子のレタスホモログLsFVEL、LsFLDL、LsLDLが新たに単離できる。
  2. 圃場栽培の「リーフレタスグリーン」および「テキサスグリーン」では、それぞれ定植後41日および62日で花芽の形成が観察される。この2品種における花芽形成決定遺伝子のレタスホモログ、LsLFYL、LsAP1Lの茎頂での発現量は、花芽形成とともに増加する。一方、「パトリオット」および晩抽性育成系統(野菜花き研究部門育成の強度晩抽性系統)では花芽の形成が観察されず、LsLFYL、LsAP1Lの茎頂での発現量は少ない(図1)。
  3. 花成経路統合遺伝子のレタスホモログLsFTは、花成誘導条件に設定した制御環境下における葉での発現量と茎頂の花芽発達段階がよく一致する[1、2]が、圃場で栽培したレタス葉においても、花芽の形成が観察された品種では花成の進行に伴って発現量が増加する。花芽の形成が観察されない品種・系統では、明確な発現量増加がみられない(図2)。
  4. 自律的花成経路遺伝子のレタスホモログLsFVEL、LsFLDL、LsLDLの葉での発現量は、花芽の形成が観察された品種において花成の進行に伴って増加する。花芽の形成が観察されない品種・系統では、これら遺伝子群の発現量は低い(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. LsFT は制御環境下だけでなく、自然条件下においても花成と関連性があることが示唆される。
  2. 本研究で示す花成関連遺伝子の解析によりレタス花成の制御機構を解明することは、効率的な品種育成技術や分子メカニズムに基づく花成制御技術の開発につながる可能性がある。
  3. 本研究のレタス栽培地は、茨城県つくば市の農研機構野菜花き研究部門露地圃場(36°1'45"N,140°6'14"E)である。
  4. 参考文献[1]:Fukuda M. et al.(2011) J. of Plant Physiol. 168, 1602-1607. [2]:福田ら(2011)野菜茶業研究所主要研究成果
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028942
カテゴリ 育種 栽培技術 すぐり 品種 レタス

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