ウンシュウミカンの親がキシュウミカンとクネンボであることをDNAマーカーで推定

タイトル ウンシュウミカンの親がキシュウミカンとクネンボであることをDNAマーカーで推定
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究課題名
研究期間 2011~2016
研究担当者 藤井浩
太田智
野中圭介
片寄裕一
松本敏美
遠藤朋子
吉岡照高
大村三男
島田武彦
発行年度 2016
要約 206種類のSNPマーカーを用いたカンキツ67品種系統のDNA鑑定により、ウンシュウミカンの種子親がキシュウミカン、花粉親がクネンボと推定される。
キーワード ウンシュウミカン、キシュウミカン、クネンボ、DNA鑑定、親子推定
背景・ねらい ウンシュウミカン(図1、2)は、食味がよく、種子も少なく、皮がむきやすく、機能性関与成分を多く含んでいる。また、わが国の気候に適し、カンキツ出荷量の約7割(平成25年)を占める最重要品種となっている。しかし、ウンシュウミカンは、在来品種であることから、その両親については明らかではない。農研機構では、カンキツの品種改良や品種識別を目的に多数のDNAマーカー開発を進めており、206種類のDNAマーカーを主要な在来品種を含むカンキツ67品種系統に適用して、ウンシュウミカンの両親の推定を行う。
成果の内容・特徴
  1. DNA鑑定に用いたのは核ゲノムに由来する206種類のSNP(一塩基多型)マーカーである。SNPマーカーによる分析対象としたのは、ウンシュウミカン[1](表1の番号を示す)とその親の可能性がある59品種・系統[2~60]およびSNPマーカー遺伝子型判定の検証用の7種類の交雑品種[61~67]の合計67品種・系統である。
  2. ウンシュウミカンの両親として矛盾がない組合せを探索した結果、キシュウミカン(図1、2)とクネンボ(図1、2)の組合せが、矛盾がない唯一の組合せである。
  3. 種子親と花粉親を判定するために用いたのは、葉緑体ゲノム上の遺伝子領域から作成したCAPS(制限酵素断片長多型)マーカーである。ウンシュウミカンは、キシュウミカンとCAPSマーカー型が一致し、クネンボとは一致しない。葉緑体は種子親のみから伝わるので、ウンシュウミカンの種子親はキシュウミカン、花粉親はクネンボである。
  4. キシュウミカンは中国から伝わったとされ、小ミカンとも呼ばれる。食味は比較的よいが種子が多く果実が小さい(図1、2)。クネンボはインドシナ原産で沖縄を経て伝わったとされ、食味は濃厚だが果皮に独特の臭気があり種子が多い(図1、2)。ともに室町時代までにわが国に伝わったとされ、明治時代まではわが国の主要なカンキツであった。ウンシュウミカンは、これらを親とする偶発実生と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 今回の成果により、ウンシュウミカンの優れた形質がキシュウミカンとクネンボに由来することが明らかになった。今後、これら3品種の形質とゲノム情報を調べることで、ウンシュウミカンの優れた形質に関わる遺伝子の解明が進むことが期待される。
  2. これまでの交雑育種では、クネンボは果皮の臭気などにより、育種に用いられることはなかった。しかし、本成果により、クネンボも育種親の候補となる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028914
カテゴリ 育種 温州みかん 機能性 出荷調整 DNAマーカー 品種 品種改良 良食味 その他のかんきつ

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