寒冷地向けもち性六条皮麦新品種候補「はねうまもち」

タイトル 寒冷地向けもち性六条皮麦新品種候補「はねうまもち」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2016
研究担当者 長嶺敬
関昌子
青木秀之
伊藤誠治
山口修
発行年度 2016
要約 「はねうまもち」は寒冷地優良品種「ファイバースノウ」の「もち性」突然変異系統であり、麦飯の食感が優れるほか、健康機能性成分β?-グルカン含量が原品種の1.4倍多い。栽培特性は「ファイバースノウ」に類似して優れる。福井県、新潟市で普及予定。
キーワード 大麦、もち性、β?-グルカン、農福連携
背景・ねらい もち性大麦は高いβ??グルカン含量やもちもちした麦飯の食感などから需要が急増している。しかし、もち性大麦の国内生産量は少なく、 多くを北米からの輸入に依存している。 一方、六条大麦主産地である北陸地域では主力品種「ファイバースノウ」の実需者の累年蓄積在庫に伴う減産要請が問題になる年もあり、ニーズの高い「もち性大麦シフト」を図りたい状況にある。また、実需者も近年の「もち麦ニーズ」を一過性のブームに終わらせることなく、消費定着を図るうえで、「食味」、「麦飯のにおい」の問題が少ない国産もち性品種の早期普及・実用化を求めている。一方、農業特区の指定をうけた新潟市では大麦を用いた農・福・産業連携(生産者?障がい者福祉施設?食品メーカー・小売り)を推進するなかで、もち性大麦の優れた商品性から、計画推進の中核品種として早期実用化を要望している。
このような状況下、社会ニーズに応えうるもち性大麦「はねうまもち」を品種出願し、早期普及・実用化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 「はねうまもち」は「ファイバースノウ」催芽種子をアジ化ナトリウム処理して得られた突然変異に由来する系統である。
  2. 「はねうまもち」はアミロースを含まない「アミロースフリー」タイプのもち性大麦である(図1、表1)。
  3. 「はねうまもち」は麦飯に「もちもち感」があり、食味が優れる(表1)。
  4. 「はねうまもち」は健康機能性成分β?-グルカン含量が原品種「ファイバースノウ」の1.4倍高い(表1)。
  5. 「はねうまもち」はもち性大麦であるため、硝子率が低く、精麦時の砕粒が少ないが、55%精麦時間は長い(表1)。
  6. 「はねうまもち」は原品種「ファイバースノウ」に比べて、千粒重がやや小さいほかは、草姿、出穂・成熟期、収量性などの栽培特性は類似しており、原品種とほぼ同様の優れた栽培性をもつ(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「はねうまもち」はもち性大麦であるため、自然交雑をさけるためにうるち性大麦とは十分距離を置いた圃場で栽培する必要がある。
  2. 混種の判定は「精麦ヨード=ヨードカリ染色」のほか、「はねうまもちが有するもち性wx遺伝子」判別DNAマーカーが利用可能である。
  3. 新潟市、福井県での大規模試作が開始されている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028881
カテゴリ 大麦 機能性成分 新品種 DNAマーカー 品種 良食味

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