簡易GPS首輪を用いた放牧牛の草地利用状況の把握

タイトル 簡易GPS首輪を用いた放牧牛の草地利用状況の把握
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2015
研究担当者 渡辺也恭
須藤賢司
発行年度 2016
要約 GPSロガーとモバイルバッテリを組み合わせた簡易GPS首輪を放牧牛に装着することで、放牧牛の行動を1分間隔で約11日間記録できる。この首輪を利用することにより、放牧牛による草地の利用状況がわかり、精密な草地管理に活かせる。
キーワード GPS首輪、放牧牛、草地、GIS、精密管理
背景・ねらい 大規模放牧地内において牛がよく利用する地点やほとんど利用がない地点などの滞在場所の情報は施肥、牧区レイアウトの合理化および放牧牛の効率的な管理を行う上で重要な情報となる。現在、携帯型のロガー付きGPS(全地球測位システム)受信機(GPSロガー)は安価に購入できるものの、そのバッテリ容量が少なくGPS測定時間が1日以下と短い。一方、USB出力機能が付いたモバイルバッテリ製品も多く市販化されており、これと市販のGPSロガーを組み合わせることにより、GPS首輪を安価で開発し、放牧地における牛の行動を一定期間、簡易に測定して、草地の利用状況を把握することが可能になる。
成果の内容・特徴
  1. 開発したGPS首輪(図1)の材料費は、USB対応GPSロガーが約8,000円、USB出力機能付きモバイルバッテリ(3.7V/11200mAh容量を3台)は約30,000円、バッテリを収納する防水ボックスやベルトなどその他部品は約6,000円で、合計約44,000円である。総重量はバッテリ込みで約1.7kg、作成に要する時間は1台3時間未満である。
  2. 開発したGPS首輪は、1分間隔で約11日間のGPS測定・記録が可能で、GPSの誤差範囲は半径5m以内である。放牧牛に装着して、GPSデータを取得後、GIS(地理情報システム)ソフトウェアにそのデータを読み込むと放牧牛の測定期間中の行動軌跡が得られる(図2、3)。
  3. GISソフトウェアの機能を利用すると、GPS首輪装着牛による放牧地の利用状況が把握できる(図4)。これらの解析結果は、放牧地の生産性を高める管理を行う上で有効な手がかりを与える。
成果の活用面・留意点
  1. GPS首輪の市販製品が20~30万円であるのに対し、本GPS首輪は安価で自作可能である。GPSロガーはUSBからの給電が可能な製品、バッテリは自動電源オフ機能が作動しない製品(消費電流の小さいGPSロガーに対しても給電を続けることが可能)を選定することが必要である。その他、GPS首輪作成のための材料や詳細な点は渡辺・須藤(2017)を参照。
  2. 開発したGPS首輪は通信機能を持たないため、GPSデータの回収は牛から脱着後、USBケーブルを介してパソコンに保存することで行う。
  3. 牛による草地の利用状況の把握後、草地管理計画を立てる。例として、利用の少ない場所では、掃除刈り、施肥および簡易更新等の手段を通した利用向上法が挙げられる。また、利用が多すぎる場所では施肥の節減・中止やその原因物(草架や水飲み場などの施設物)の移動などの方法が挙げられる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028854
カテゴリ 市販化 GPS 施肥 輪作

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