タイ東北部の砂質土壌における炭の添加は、チークの成長を向上させる

タイトル タイ東北部の砂質土壌における炭の添加は、チークの成長を向上させる
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2015
研究担当者 香山 雅純
Nimpila Suchat
Hongthong Sutjaporn
Wichiennopparat Wilawan
Himmapan Woraphun
Vacharangkura Tosporn
米田 令仁
野田 巌
発行年度 2016
要約 タイ東北部の砂質土壌に炭を添加することにより、保水性が改良されるばかりでなくリンの吸収が促進され、チーク苗の根の成長が促進される。
キーワード 保水性, 土壌改良, チーク, 炭, ベントナイト
背景・ねらい チークはタイにおける有用郷土樹種であり、タイ全土で造林が行われている。しかし、タイ東北部に広く分布する砂質土壌では成長の悪い造林地も多い。成長が悪い原因として、砂質土壌はpHが低く、養分に乏しく、保水性が低いことが挙げられる。これまで、保水性を改善するために、土壌改良資材を添加した土壌に樹木を植栽して自然環境下で生育し、保水性の改良効果や水分ストレスの軽減効果を実証的に検証した研究は行われていない。そこで、保水性の改善効果が認められているベントナイト(モンモリロナイトを主成分とする粘土)、炭、トウモロコシの芯を土壌改良資材として添加した植栽実験により、砂質土壌における保水性とチークの成長の改善効果を検証する。資材の添加量は、過去の文献から効果が確認された4%とし、ポットにチークの苗を1年間植栽して、土壌含水率やチークの成長、生理特性を比較する。
成果の内容・特徴
  1. 砂質土壌に、ベントナイト、炭、トウモロコシの芯を添加したポットにチークの苗を1年間植栽した場合、ベントナイトと炭の添加区はトウモロコシ芯の添加区ならびに無処理区よりも土壌の体積含水率が高く推移する(図1)。
  2. ベントナイトと炭の処理区では明け方の水ポテンシャルの値が乾季(2014年2月~4月)においてもあまり低下しない(図2)。葉は夜間に蒸散しないため、一般に明け方の水ポテンシャルの値は吸収可能な土壌水分を示す。この結果は、ベントナイトと炭の処理区のチーク苗は乾季においても水分ストレスを受けないことを示唆する。
  3. 実験終了時におけるチークの苗木の樹高と根元直径には処理区による差はないが、根の乾重量は、肥料を添加していないにもかかわらず、炭の処理区において有意に重い(図3)。
  4. ベントナイトの処理区は無添加の処理区と比較して高い養分濃度は示さないが、炭の処理区では、実験終了時におけるチーク葉のリンとカリウム濃度が高い (図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 炭はごく一般的に生産されている素材であり、保水性を向上させかつリンの吸収を促進する安価な土壌改良資材として活用できる。
  2. チークは水平方向に根を発達させるため、圃場に植栽する場合、炭の添加は広い範囲に実施するのが望ましい。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2016_c05
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028751
カテゴリ とうもろこし 土壌改良

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