キャッサバパルプはC. butyricumの1,3-プロパンジオール生産能を高める

タイトル キャッサバパルプはC. butyricumの1,3-プロパンジオール生産能を高める
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2016
研究担当者 小杉 昭彦
アピワナワット ワラポーン
バイタノムサット ピラニー
発行年度 2016
要約 嫌気性細菌Clostridium butyricumを用いたグリセロールからの1,3-プロパンジオール(1,3-PD)生産において、培養時にキャッサバパルプを少量添加すると、1,3-PD生産能を飛躍的に高めることができる。1,3-PD生産能を高めると共にキャッサバパルプの新たな活用方法となる。
キーワード 1,3-プロパンジオール, Clostridium butyricum, キャッサバパルプ
背景・ねらい 1,3-プロパンジオール(以下1,3-PD)(図1)は、溶媒、不凍液、接着剤、化粧品、ポリエステル樹脂原料など幅広い分野に用いられる化学物質である。これまでアルデヒド等から薬品、金属触媒を用いて化学合成により工業生産されてきたが、原料の毒性、腐食性、設備コストの面からバイオ技術による生産に期待がもたれている。中でも低環境負荷な製造方法として、グリセロールから直接、微生物に還元させる方法が提案されているが、変換効率が悪く、新たな生産菌の探索や遺伝子組換え等による改良が必要となっている。そこで、嫌気性細菌Clostridium butyricum及びキャッサバパルプを用いた1,3-PDの効率的な生産方法を提案する。
成果の内容・特徴
  1. 嫌気性細菌Clostridium butyricumを用いてグリセロールからグリセロール脱水酵素(dhaB2)、及び1,3-PD 脱水素酵素 (dhaT)により1,3-PDを生合成する(図1)。
  2. C. butyricumを用いた時間あたりの1,3-PD生産量は、グリセロールのみでは培養24時間以降において0.011±0.003 g/L/hであるのに対して、グリセロール60 g/Lにキャッサバパルプを2 g/L添加した場合、培養24時間において無添加の場合の約40倍の0.47±0.01 g/ L/hとなる。生産される1,3-PDの量(g/L)も、大きく向上する(図2)。
  3. 1,3-PD生合成経路の律速酵素であるdhaB2dhaTのmRNA発現レベルは、グリセロールのみの培養に比較し、キャッサバパルプでは約15倍も高発現することから(図3)、キャッサバパルプ添加により、これらの律速酵素が高発現し1,3-PDの生産能が向上すると考えられる。
  4. キャッサバパルプ中の主成分として、スターチ、セルロース、キシランが考えられるが、それぞれの添加効果を検討した結果、キシランにのみ高い1,3-PD生産向上効果が認められている。キャッサバパルプ中のキシラン成分が生産効率の上昇に寄与していることが示唆される。
成果の活用面・留意点
  1. グリセロールから1,3-PDを生産する際に、スターチ工場から排出される未利用残渣のキャッサバパルプを少量添加すると、1,3-PDの生産効率が飛躍的に高まることから、キャッサバパルプの新しい活用方法になると共に、既存の発酵法へ本方法を用いることで1,3-PD生産効率を向上できる。
  2. 本試験ではキャッサバパルプ濃度を0.2 g/Lとしたが、より少量の0.05 g/Lでも効果が認められる。逆に高濃度添加は、繊維が残り沈殿することから好ましくない。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2016_c02
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028748
カテゴリ コスト

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