ダイズさび病に高度の抵抗性を示す3種の判別品種は抵抗性遺伝子Rpp1-bをもつ

タイトル ダイズさび病に高度の抵抗性を示す3種の判別品種は抵抗性遺伝子Rpp1-bをもつ
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2011~2020
研究担当者 山中 直樹
Hossain Md. Motaher
発行年度 2016
要約 ダイズさび病に抵抗性を示す4種の判別品種を含む7品種は、さび病抵抗性遺伝子Rpp1、Rpp1-b、Rpp2、Rpp3の1つを保有する。高度の抵抗性を示す3種の判別品種は抵抗性遺伝子Rpp1-bをもつ。DNAマーカーを利用してRpp1-bなどの抵抗性遺伝子を感受性品種に導入できる。
 
キーワード ダイズさび病, 抵抗性遺伝子, DNAマーカー
背景・ねらい ダイズさび病は南米をはじめとする熱帯・亜熱帯地域の大豆生産地域の主要病害となっている。これらの地域における殺菌剤による防除コストと環境負荷低減のため、さび病抵抗性品種を開発し、広く普及していく必要がある。ダイズさび病に対する抵抗性遺伝子(Rpp)はこれまで7つ同定されているが、保有する抵抗性遺伝子が不明のため活用されていない抵抗性大豆遺伝資源もある。これまでの研究から、中国原産の大豆品種PI 594767A (Zhao Ping Hei Dou)、PI 587905 (Xiao Huang Dou)、PI 587855 (Jia Bai Jia)、Xiao Jin Huang、日本原産の大豆品種Himeshirazu、Iyodaizu B、PI 416764 (Akasaya)は南米及び日本のさび病菌に抵抗性を示すことが明らかになっていた。特に、PI 594767A、PI 587905、PI 587855、およびPI 416764は国際的なさび病菌の判別品種セットに含まれていたにも関わらず、抵抗性遺伝子が不明であったため育種に活用されていなかった。そこで、これらの品種のさび病抵抗性遺伝子を明らかにし、選抜マーカーを同定することにより育種への利用を目指す。
成果の内容・特徴
  1. ダイズさび病に抵抗性を示す大豆品種Xiao Jin HuangとHimeshirazuは18番染色体上のさび病抵抗性遺伝子であるRpp1を、大豆品種PI 594767A、PI 587905、PI 587855は同染色体上でRpp1からマーカーSat_064を挟んで約1.8cM離れたRpp1-bを保有する(図1A、表1)。一方、Iyodaizu Bは16番染色体上のさび病抵抗性遺伝子であるRpp2を保有し(図1 B、表1)、PI 416764は6番染色体上のさび病抵抗性遺伝子であるRpp3を保有する(図1C、表1)。
  2. 7品種とも、保有するさび病抵抗性遺伝子が分子連鎖地図上に位置づけられているため、抵抗性遺伝子座に隣接するDNAマーカー(図1)を利用して、これら抵抗性遺伝子を感受性品種に導入することが出来る。
  3. 3品種が持つRpp1-bはブラジルの強病原性のさび病菌、その他の日本や南米の多くの菌系に抵抗性となるため育種上の利用価値が高い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. これら抵抗性遺伝子を隣接するDNAマーカーを利用して感受性品種に導入する際、リンケージドラッグ(連鎖による非選抜対象の形質持ち込み)により、抵抗性品種の持つ望ましくない形質の導入に注意する必要がある。
  2. これらの抵抗性遺伝子は単独で大豆に導入した場合は効果を発揮できないことがあるが、複数導入することで、より多様なさび病菌に対して抵抗性を付与することが期待される。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2016_b06
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028746
カテゴリ 亜熱帯 育種 遺伝資源 環境負荷低減 コスト 大豆 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 DNAマーカー 品種 防除

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