アフリカ産低品位リン鉱石は焼成処理で可溶化され高い肥効を示す

タイトル アフリカ産低品位リン鉱石は焼成処理で可溶化され高い肥効を示す
担当機関 (国研)国際農林水産業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2015
研究担当者 中村 智史
南雲 不二男
福田 モンラウィー
鳥山 和伸
今井 敏夫
発行年度 2016
要約 未利用資源であるブルキナファソ産低品位リン鉱石に、炭酸ナトリウムを添加し、900~1000°Cで焼成することでクエン酸可溶性リン割合が大幅に向上する。焼成物のトウモロコシおよび水稲に対する施用試験の結果、水稲では重過リン酸石灰と同程度の施用効果が認められる。
キーワード 焼成, ブルキナファソ, 肥料, クエン酸可溶性リン酸
背景・ねらい 国際的にリン資源の枯渇が叫ばれる中、アフリカには未利用の低品位リン鉱石が多く存在する。ブルキナファソでは、リン酸として約1億トンの埋蔵量が推定されており、その効果的な利用方法の開発が求められている。一般的にリン鉱石の可溶性向上は硫酸添加によるものが多いが、低品位のリン鉱石の場合、遊離の硫酸が残存するなどの問題が指摘されている。そこで、アルカリ金属を配合し高熱処理する焼成法を適用し、アフリカ産低品位リン鉱石を可溶化する方法を明らかにする。アフリカ産低品位リン鉱石の活用を通じて安価なリン肥料が現地農家に提供されることで、アフリカの農業生産性向上が期待される。
成果の内容・特徴
  1. 212 μmに微粉砕したブルキナファソ、コジャリ鉱床産出の低品位リン鉱石に炭酸ナトリウムをNa2Oが25~30 %となるよう配合し、900~1000 °Cで焼成すると、全リン酸量中のクエン酸可溶性(ク溶性)リン酸割合が約100 %に向上する(表1)。
  2. 炭酸ナトリウムの配合比ならびに焼成温度を調整することで、全リン酸量にしめる水溶性リン酸割合が最大28 %まで向上する(表1)。
  3. 炭酸ナトリウムの配合比が高い程、ク溶性および水溶性リン酸量が高くなる傾向があるが、全リン酸量は低下する(表1)。
  4. 得られた焼成物(CBPR)の施用効果を検証するため、1/5000 aワグネルポットに2.4 kgの細粒質赤玉土を充填し、重過リン酸石灰(TSP)ならびに炭酸ナトリウムをNa2Oが30 %となるように配合し950 °Cで焼成したCBPRを、リン酸施用量が0、0.5、1.0、2.0 g P2O5/potとなるように施用した後、温室内でトウモロコシならびに水稲を56日間栽培する。
  5. 水稲では、CBPRの施用により、2 g P2O/potの水準まで、TSPの施用と同程度の収量を示す(図1)。
  6. トウモロコシの乾物収量は、CBPRを1 g P2O/potよりも多い水準で施用した場合、TSPのおよそ40%程度である(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、焼成時の副資材に炭酸ナトリウムを使用しているが、同族アルカリ金属元素の炭酸塩である炭酸カリウムを使用した場合でも、焼成により可溶化できる可能性がある。
  2. 本成果で示された焼成法は他の低品位リン鉱石においても有効と考えられる。
  3. 畑作物に対するCBPRの施用効果を高める可溶化技術を検討する必要がある。
  4. 多量にCBPRを施用した場合、副資材として添加したナトリウムの残存集積や土壌pHの上昇に起因すると考えられる生育抑制が生じる。
オリジナルURL https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2016_a03
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028740
カテゴリ 水稲 とうもろこし 未利用資源

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