農作業概念を共通化する農作業基本オントロジーAAO

タイトル 農作業概念を共通化する農作業基本オントロジーAAO
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 農業技術革新工学研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2016
研究担当者 法隆大輔
竹崎あかね
吉田智一
朱成敏
武田英明
発行年度 2016
要約 多圃場営農管理システム等の農作業名を取り扱うプログラムから参照可能な農作業の概念体系(オントロジー)である。AAOを参照することで農作業概念の大きさの違いや表記ゆれなど農作業概念のあいまいさの問題を解消できる。
キーワード オントロジー、農作業名、相互運用性、可搬性、共通化
背景・ねらい 多数の分散圃場の効率的管理のために、圃場ごとの作業内容の記録や作業計画を支援する多圃場営農管理システムが用いられるようになっている。こうしたシステムで記録される作業履歴データには、データの内容を表現するために作業日、農作業名、作業者、使用資機材等の項目名が付与される。農作業名が項目名となる場合には、同じ意味を示す「稲刈り」や「稲刈」のような表記の揺れや、「稲刈り;イネの収穫」や「収穫」のような概念の大きさの違いが原因で、関連あるデータを全く別のデータとして処理してしまうことがある。こうした農作業名(概念)のあいまいさは、単独の多圃場営農管理システム内でのデータ管理上の問題となるだけではない。複数のシステム間でデータを移行、共有しようとした場合や、作業記録データを将来的にビッグデータとして活用しようとした場合にも障害となることが予想される。そこで将来的な農業ITシステムでの高度なデータ活用を視野に入れ、あいまいさがある農作業概念を明確に定義する概念体系、農作業基本オントロジーを構築した。
成果の内容・特徴
  1. 農作業名の共通化を図るためのツールとして農作業基本オントロジー;AAO(Agriculture Activity Ontology)を構築し、公開している(図1)。AAOには、2016年9月のバージョンで、稲、麦、大豆など土地利用型の作物における農作業を中心に374件の農作業概念(以下、概念)を収録している。
  2. AAOに含まれる情報はAAOのサイトからオントロジーの標準的なフォーマットであるRDF形式のファイルとしてダウンロードできる。プログラムからAAOに含まれる情報を利用する場合には、プログラムにRDFのパーサを組み込んでこのRDFファイルを参照することで、AAOで定義された概念間の関係を抽出することができる(図2)。
  3. 複数の農作業名表記が存在する概念については、いずれか一つの表記を代表表記とし、それ以外の表記はそれに付随する表記として収録している(図3)。また、例えば収穫に要した時間を統計資料や他の農家と比較する場合には、「収穫作業」だけでなく「稲刈り」や「コンバイン作業」の項目で記録された時間の合算が必要になることがある。AAOの階層構造(図4)を参照することで、「稲刈り」や「コンバイン作業」が「収穫」の一種であるという概念間の上下関係が明確になりプログラム内で上記処理ができる。
  4. 内閣府から示された「農業ITシステムで用いる農作業の名称に関する個別ガイドライン(本格運用版)」にある農作業の名称リストは、AAOの用語も参考に策定された。AAOはガイドラインにある農作業の名称に対応した概念を全て含んでおり、ガイドラインは人間側がデータ入力時に参照する標準作業名の推奨リストとして、AAOはデータ処理の際にプログラム側が参照するオントロジーとして位置づけられる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:ソフトウェア開発会社等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:内閣府のガイドラインとの互換性を維持することで、5件以上のソフトウェアにおいて標準作業名のリファレンスとして採用されることを目標とする。
  3. その他:
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028733
カテゴリ 管理システム 大豆 データ管理

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