リンゴのみつ風味を再現するエチルエステルフレーバー

タイトル リンゴのみつ風味を再現するエチルエステルフレーバー
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究課題名
研究期間 2014~2015
研究担当者 田中福代
岡崎圭毅
庄司靖隆
宮澤利男
発行年度 2016
要約 みつ入りリンゴの香気成分中のエチルエステル類の組成をもとに調合したフレーバーを添加すると、リンゴ加工品のみつ風味と嗜好性が高まる。
キーワード リンゴ、みつ風味、嗜好性、エチルエステル類、フレーバー
背景・ねらい リンゴ(Malus domestica Borkh.)のみつ入り果は「甘くておいしい」との評判が高いが、糖度では説明できないケースが多く、好まれる理由は謎とされていた。しかし、みつ部分の低酸素条件によって生成するエチルエステル類が嗜好性の高さの決め手となる可能性を2015年度に示した。そこで、「ふじ」みつ入り果の香気成分組成をもとにエチルエステル類からなるフレーバーを調合し、リンゴの嗜好性を高める効果があるか明らかにする。また、リンゴ加工品及びリンゴ風味食品の嗜好性を高めるフレーバーの開発に繋がる情報を収集する。
成果の内容・特徴
  1. リンゴみつ入り果には、みつ部分の嫌気代謝によってエチルエステル類が多量に生成することを2015年度に報告している。「ふじ」みつ入り果の香気成分中のエチルエステル類の組成を解析すると、酪酸エチルが最も多く含まれており、2-メチル酪酸、プロピオン酸、ヘキサン酸のエステルがこれに続く。この情報をもとに調合したエチルエステルフレーバーの組成を表1に示す。
  2. 「ふじ」みつ無し果から調製した混濁果汁に表1の調合したフレーバーを0.1%添加するとみつ風味が高まり、そのみつ風味は「ふじ」みつ入り果の混濁果汁と同等となる。エチルエステル類はリンゴのみつ風味の決め手となる成分である。
  3. みつ入り果から調製した混濁果汁では褐変が生じやすく外観の悪化を招く。エチルエステルフレーバーの使用によって、外観が悪化することなくみつ風味と嗜好性の強化が可能となる(図1)。
  4. フレーバーとして市販アップルフレーバーを用いたキャンディと、そのアップルフレーバーにエチルエステルフレーバーを添加したキャンディ(フレーバー添加区)を比較する官能評価を行うと、エチルエステルフレーバー添加キャンディのみつ風味及び嗜好性の評価は高まる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:リンゴ加工業者、香料メーカー、食品加工業者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国
  3. その他:
    1)リンゴみつ入り果へのエチルエステル類の集積については2015年度研究成果情報を参照する(「みつ入りリンゴの嗜好性はエチルエステル類の集積により高くなる」)。 
    2)リンゴ生果のピューレ、市販アップルフレーバーを配合した清涼飲料でも混濁果汁及びキャンディと同様のみつ風味及び嗜好性の上昇効果が認められる。フレーバーとして使用する際には、対象食品の香気組成及び特徴に合わせて組成の再調整が望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028700
カテゴリ 加工 りんご

この記事は