キタネグサレセンチュウを抑制し、夏播きで多収なstrigosaエンバク品種「リッキー」

タイトル キタネグサレセンチュウを抑制し、夏播きで多収なstrigosaエンバク品種「リッキー」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2004~2015
研究担当者 桂真昭
我有満
松岡秀道
後藤和美
高井智之
山下浩
上床修弘
波多野哲也
松岡誠
荒川明
木村貴志
岩渕慶
安達美江子
道場和也
発行年度 2015
要約 「リッキー」は、キタネグサレセンチュウの密度低減効果を持ち、出穂が既存品種より早く、北海道においては8月播種で安定して多収である。九州では、9月上旬播種で年内に出穂し、夏播き用極早生品種と同程度の乾物収量である。
キーワード エンバク、夏播き栽培、キタネグサレセンチュウ、緑肥、飼料作物育種
背景・ねらい strigosaエンバク(Avena strigosa Schreb.)は、当初、茎が細く乾草向きの草種として導入されたが、その栽培により後作のダイコンでキタネグサレセンチュウによる被害を抑制することが確認されたこと等から、緑肥作物の重要な選択肢の一つとなっている。
現在の利用場面は、北海道ではコムギの後作での緑肥用としての利用が最も多く、一方、九州では飼料用としての利用が主である。北海道では8月の早い時期に播種することが推奨されているが、播種が8月下旬に遅れる場合がみられ、現在の流通している品種では低収となり、8月下旬播種に対応できる品種が望まれている。そこで、緑肥用としてキタネグサレセンチュウの密度低減効果を持ち、出穂が既存品種より早く、北海道の8月播種で安定して多収、飼料用として九州で9月上旬に播種する夏播き栽培で年内に出穂するstrigosaエンバク品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「リッキー」は、strigosaエンバク導入品種から九州の夏播き栽培において年内に出穂する個体に由来する複数の年内出穂性系統を選抜し、北海道の緑肥利用における多収性やキタネグサレセンチュウ密度低減効果を育種目標に、九州沖縄農業研究センターとホクレン農業協同組合連合会の共同研究により育成した品種である。
  2. 北海道での8月下旬播種では出穂に至らないが、8月前半播種では「サイアー」より出穂程度が高い(表1)。
  3. 北海道での乾物収量は、「サイアー」と同程度か、より高い(表1)。
  4. キタネグサレセンチュウ密度低下率は「サイアー」と同程度で、無播種と比較して大きく低下しており(表3)、「リッキー」の栽培はキタネグサレセンチュウ密度を積極的に低減させる効果がある。
  5. 熊本で9月上旬に播種した場合、年内に出穂し、出穂程度は「サイアー」より大きく、夏播き用極早生品種の「ウエスト」と同程度である(表2)。
  6. 熊本での乾物収量は、「サイアー」より高く、「ウエスト」と同程度であり(図1)、耐倒伏性と耐病性は、「サイアー」と同程度である(表2)。推定TDN含量は「ウエスト」よりやや高く、「サイアー」と同程度で、粗タンパク質含量は「ウエスト」と同程度で、「サイアー」より低い(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 各地域における、それぞれの用途に応じた慣行の栽培管理で利用できる。
  2. 近年、strigosaエンバクでセイヨウチャヒキいもち病、褐斑細菌病といった新しい病害が報告されているので、地域の指導情報に留意する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028671
カテゴリ 育種 いもち病 栽培技術 飼料作物 飼料用作物 多収性 だいこん 播種 品種

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