クラウン温度制御技術による宮城県被災地でのイチゴ促成栽培における収量増加

タイトル クラウン温度制御技術による宮城県被災地でのイチゴ促成栽培における収量増加
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2012~2015
研究担当者 壇和弘
菅野亘
中原俊二
後藤直子
岩崎泰永
高野岩雄
沖村誠
日高功太
高山智光
今村仁
発行年度 2015
要約 寒冷地の宮城県におけるイチゴ促成栽培でも、クラウン部の温度を20℃前後に維持するクラウン温度制御技術により、低温期の生育促進と、出葉、ならびに第1および2次腋果房の出蕾が早まることで、総商品果収量は多くなる。
キーワード イチゴ促成栽培、クラウン温度制御、商品果収量、宮城県、「もういっこ」
背景・ねらい 東北地方最大のイチゴ産地であった宮城県亘理郡亘理町および山元町は、東日本大震災によって壊滅的な被害を受けた。その後、大規模なイチゴ生産団地が再建されたが、生産性を向上させる効果的な栽培管理技術の導入が望まれている。一方、九州などの西南暖地におけるイチゴの促成栽培では、クラウン部の温度を20℃前後に維持するクラウン温度制御技術の有効性が示されている。そこで、山元町に建設された農林水産省先端プロ大規模施設園芸実証研究施設において、宮城県における促成栽培イチゴの生育促進および収量増加に対するクラウン温度制御技術の有効性を実証する。
成果の内容・特徴
  1. クラウン部の温度を20℃前後に維持するクラウン温度制御を行うことで、低温期の生育が促進される(図1)。
  2. クラウン温度制御により、1月から2月の出葉は早くなる(図2)。
  3. 頂果房から第1次腋果房の果房間葉数は少なくなり、第1次腋果房の出蕾は早くなる。また、1月から2月の出葉が早くなるため、第2次腋果房の出蕾も早くなる(図3)。
  4. 腋果房の出蕾が早まるとともに、加温の効果により低温期の生育が促進されることで、4および5月の商品果収量が増加し、総商品果収量は多くなる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 図1~4は、先端プロ大規模施設園芸実証研究施設イチゴ栽培区画(面積23.8a)の高設栽培システムに一季成り性品種「もういっこ」の普通ポット苗を2013年9月24日に定植して(約8,000株/10a)、実証栽培を行った際の結果である。
  2. クラウン温度制御を行うために、空冷式ヒートポンプチラー(10馬力)と冷温水の貯水タンク(1,000L)を循環ポンプ(0.25kW)で接続し、クラウン部の温度制御用ポリエチレンチューブ(外径16mm)に送水ポンプ(0.4kW)で冷温水を循環供給した。定植から10月22日、ならびに3月1日から5月31日まで、貯水タンクの水を18℃に冷却し、気温20以上で送水した。11月1日から3月1日まで、貯水タンクの水を23に加温し、気温18以下で送水した。
  3. クラウン温度制御については、2007年度普及成果情報「促成イチゴ栽培で早期収量の増加と収穫の平準化が可能なクラウン温度制御技術」を参照する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010028668
カテゴリ いちご 栽培技術 施設園芸 品種 ヒートポンプ

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